番外26話『デービーバックファイト』
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「おおお……長い」
「長い……どいつもこいつも」
「何で長いんだ」
「見てるとこっちまで長くなりそうだ」
ハント、ルフィ、ウソップ、チョッパー。
彼らが一斉に呟いた。
彼らの目に映っているものはその言葉通りの光景。
それは例えば白熊がスリムに見えるほどに縦に長かったり、同様にそこらじゅうに乱立している木々も長かったりするという光景。目に映るもの全てが普段彼らが見慣れているものに比べて長く存在している。
いったい、これらはどういう気候やどういった環境で育てばこういった長い生物へと進化するのか。これこそ、各島々での独自の文明形態の維持を許してきたグランドラインだからこそ見られる光景で、おそらくはそういったものに目がない人間がみればここはある種の宝庫として存在するだろう。
が。
残念ながらというか、当然にというか。今ここにいる4人の彼らは、それら長い生物を不思議に思うことはあっても、それらを解明しようと考える思考回路の持ち主ではない。ただひたすらに、目に映る光景に興奮し、楽しんでいた。
さて、空島から青海に降りた麦わら一味は既に新たなる島へと到着しているわけだが、この島はロングリングロングランド。
そもそもは長いリング状の島だが、普段は海によって10の島に区切られている。本来の姿を取り戻すのは年に一度、潮が大きく引く数時間の間だけだ。
「遊牧民の俺たちは3年に一度島から島へと移住を繰り返すのだ」
ルフィたちが出会った初めての人間、トンジットによる島の説明にウソップが「はーん、じゃ村の移動に取り残されたわけだおっさんは」と頷いた。
ウソップの言う通り、トンジットは唯一この島に取り残されている人間だ。
理由はトンジットが10年もの間、竹馬をしていて地上に降り立たなかったからで、他の遊牧民たちもまさか竹馬の上にいるとは考え着かなかったらしく、捜索を諦めて島への移動を始めたというわけだ。
トンジットはずっと竹馬の上にいたというのは、言葉のとおり。ルフィがその竹をへし折らなければきっとトンジットは今も竹馬の上に取り残されていたことだろう。余談だが、地上に降りなかった理由は高くて怖かったからという、なんとも悲惨というか間抜けなそれで、どうにも反応に困ってしまう。
「一つの島に3年なら一周してここに帰ってくるのは約30年後。おっさんが竹馬に乗ってた年月を引いてもあと20年はみんなと会えねぇわけだ」
「そうなるな、せめて一頭のウ〜〜〜マがいれば……1年おきに島を渡ってみんなを追えば5年もあれば追いつくだろうて」
ウソップの言葉に、トンジットは嘆息を落としながら首を振る。ウ〜〜〜マに乗ることが唯一次の島へと渡る手段。とはいえ普通に考えて遊牧民がウ〜〜〜マを連れていかな
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