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リリなのinボクらの太陽サーガ
解放
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、こちらにデバイスの先端を向けてきた。エレンさんは呆れる様に頭に手を当てて、何故か苦笑していた。

「ふぅ……お得意の実力行使ですか。ではこちらも少しだけ、手の内をお見せしましょう」

「ぬかしやがって! この俺の最大の一撃を、貴様のような軟弱な女に防げるものか!! うぉおおおおおおお!! クラッシュ・バスタァァアアアアア!!!!」

どうやらこの男は大艦巨砲主義のようで、なのはに匹敵する巨大な砲撃を凄い速度で溜めて放ってきた。部屋の中である以上、避けるスペースは無い。このままでは防御魔法も発動できずに殺傷設定のあの砲撃を浴びて大怪我、最悪死ぬかもしれないと思った。だけどエレンさんは落ち着いて右手の指輪を青く光らせると、一振りのロッドを手元に呼び出した。

「ハッ! 今更足掻いた所で、俺の砲撃の前では何の役にも立たんわ!!」

「フフフ……そう決めつけるのは早いですわよ?」

エレンさんは一瞬腰を下ろすと、男の砲撃に向かってロッドを勢いよく突き出した。たったそれだけの動作で、部屋の空気が全て持っていかれたかのような衝撃と共に、驚いた事に部屋前面を覆う程の砲撃がまるでかき消されたかのように跡形も無く消滅し、瞬く間に部屋に静寂が戻った。

「な……そ、そんな馬鹿な!? 俺の必殺技を、いとも容易く!?」

「魔法とは魔力素を働かせる事で、森羅万象、あらゆる現象を発生させる代物。なので魔力素さえ自在にコントロール出来れば、自分以外の人が使った魔法の制御も奪えるのです。そしてもう一つ……私の力は“魔力素の真空”を作り出せるのですわ。そこは全ての魔法が掻き消されるフィールド……どんな魔力も存在を許さない、いわば“魔法のブラックホール”なのです」

「ば、化け物め!!」

「はぁ……そう言われるのはもう慣れました。それより今の迂闊な行動で、あなたには公務執行妨害、暴行罪、殺傷設定の無許可使用、魔法の不正使用の容疑が加わっています。……と言われても、脳筋のあなたは受け入れがたいでしょうから、手っ取り早く始末を付けましょう」

「何だと貴様! 正面から俺に勝つつも――――――!!?」

……?

言葉の途中でハウスマンは急に喉元を抑え、目を白黒させていた。何が起きているのかわからずに唖然とする私達とは対照的に、エレンさんはいつも……と言う程付き合いは長くないけど、とにかく普段通りの表情でハウスマンを見下ろしていた。ハウスマンは苦しげに片手を喉元に当てながら、もう片方の手をエレンさんに伸ばしてきた。でも拒絶するようにプロテクションを張られ、その手は障壁に阻まれて届かなかった。前のめりに倒れたハウスマンはしばらくもだえ苦しんで、攻撃を受けていないはずなのに意識を失ってしまった。

「真空で呼吸を奪えば、どんな人間でもすぐに意
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