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リリなのinボクらの太陽サーガ
解放
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トロ社に資金を横領していた悪徳局員、ただの犯罪者へと成り下がりましたわ。そもそもあなたがこうやって突入してくれるだけで、私達がアレクトロ社の査察を公に行うための条件は整っていたのです。フフフ……要するにあなたの愚かな行動は、自分だけでなく癒着相手のアレクトロ社の墓穴を掘っただけなんですよ」

な、なんというか……ここまで条件を整えていたなら、お兄ちゃんがわざわざ潜入任務を行う必要は無かったんじゃないかなぁ、という気がしてきた。けどよく考えたら26年前の事故が仕組まれていたものだったり、マキナを救出したり、イモータルを倒したり、SEED製造機を破壊したりと、お兄ちゃんが潜入しなければ救えなかった人や知り得なかった事実も判明したわけだから、冷静に考えれば意味はちゃんとあった。
それに恐らくこの人は、お兄ちゃんが潜入しているという情報を掴んだから踏み込んできたのであって、もし潜入していなかったらそもそも突入してこなかった可能性が高い。つまり……サバタお兄ちゃんとエレンさんのコンビネーションがあったからこそ、私達はあらゆる意味で起死回生を果たす事が出来たんだろう。SEEDの情報を裁判に利用する事は確かに考えていたんだろうけど、それより上々の結果を掴むためにエレンさん達は動いていたみたい。なるほど……これがクロノと違って、“裏”に精通した執務官の本当の手腕………凄いなぁ、憧れちゃう。

「え、エレン……君は最初からこれを待っていたのか?」

「あらクロノ君、もしかして私達が無策でこの任務に当たっていたと思っていたのですか? 生憎ですが、私達はあらゆる状況でも有利に動ける様に策や保険は常にかけています。今皆さんが見ているのは、その内の一つの策。無鉄砲に突撃して解決しようとするのは、ただの脳筋バカですわ」

「ぐはっ!」

何かが刺さったように胸を抑えてクロノが蹲る。……あ〜、そういえばジュエルシード事件の時、彼は無鉄砲に突撃してきていたなぁ……。過去の過ちを顧みてクロノは相当後悔しているのかもしれない。

「さぁて、“元”少将の部下だった方々。あなた方が捕らえるべき犯罪者はそこにいますわよ? 平和を守ると誓った人間なら今何をするべきか……わかるでしょう?」

あえて“元”を強調している辺り、エレンさんは舌戦も出来るらしく、男の部下だった局員達は困惑しながら互いに視線を送っていた。そして私達に向けていたデバイスを、ゆっくりと元少将の男に向けて構えた。一方で男は俯いた状態から肩を震わせて、徐に顔を上げると人を殺しそうな目でエレンさんを睨んできた。

「貴様のせいで……! 貴様のせいで俺の目的は全てぶち壊しだ!! こうなったら貴様だけでも葬って、サルタナの奴に消えない傷を負わせてやる!!」

男は周りにいた元々部下の人達を魔法で吹き飛ばし
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