解放
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少し考えればすぐ思い付くぐらいの内容でしょう。ですから今言ったような事が実際に起きないように、私達は常に心掛けておく必要があります。でも皆さんはちゃんと心掛けているようなので、私も安心しましたわ。ただ……残念ながら“裏”に関わる者や力に執着する人、頭が凝り固まった人は、その当たり前の道徳すらも踏み躙る輩ばかりなのです。例えば……」
エレンさんが具体的な説明をしようとした途端、バタンッ! っと突然凄い音を立てて部屋の扉が開き、デバイスで武装した局員達が部屋になだれ込んできた。突然の事態に私達は全く動けず、私もバルディッシュを構える事すら出来なくて、いとも簡単に私達は彼らに包囲されてしまった。
「まぁ、こんな方達みたいにですわ。丁度いい具体例でしょう?」
いやいやエレンさん、こんな状況でもまだ説明を続けちゃうの? 周り一面を武装した局員に囲まれても淑女らしく微笑んでいられる辺り、どんだけ余裕……というより、どれだけの修羅場を潜り抜けたんだろう?
「ガハハハハ! こうなれば流石にラジエルの副官である貴様であろうと、手も足も出んだろう!」
耳障りで野太い笑い声をあげながら部屋に入ってきたのは、彼らのリーダーらしい禿頭の大男だった。彼は勝ち誇ったような表情でこちらを、正確にはエレンさんを見据えているが、エレンさんはどこ吹く風のように平然としていた。
「これはこれはハウスマン少将。部下共々、随分手荒な訪問ですね。いくら何でもここまで強硬な手段を取って来るとは、ガタイに似合わず余程切羽詰まっているのですか?」
「黙れッ! いいか、俺達は貴様らがアレクトロ社にスパイを送り込んだ情報を掴んでいる! これは平和を乱す明確な犯罪行為だ!」
「犯罪? フフフ……」
「何がおかしい!? 貴様らのせいで、俺はコケにされ続けてきた! サルタナのような若造や貴様のような小娘なんかより長く、俺は管理局に尽くしてきた! 敵対するものは叩き潰し、管理局に害を及ぼす輩はねじ伏せてきた! 我々の管理を受け付けない奴らは力づくで従わせる……そうだ、俺の命令を聞かない奴はどいつもこいつも敵だ! 悪だ! 犯罪者だ!! そのための力を生み出そうと言うのに、貴様らは目ざとく邪魔ばかりしてきた! 貴様らは管理局が生み出す平和を壊そうとした! だから今の内にこの俺が摘み取ってやる!!」
「平和を壊す? やれやれ……頭に血が昇ったバカ程、話が成立しない相手はいないというのがよくわかりますわ。……あなたはアレクトロ社が製造していたSEED、それを埋め込まれたクローンソルジャーが欲しくてしょうがなかっただけ。自分の言う事を何でも聞く強力な駒、それを手に入れたくてあなたはアレクトロ社のイエガー社長と癒着、資金を横領して横流ししていたのです。証拠はほら、今あなたの
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