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リリなのinボクらの太陽サーガ
解放
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〜〜Side of フェイト〜〜

「イモータルは人間の性質と次元世界の社会の仕組みを利用して、人の世に大きな争乱を起こそうと企んでいたのね。自分たちが吸血変異を起こすのではなく、人間同士が自ら潰し合って滅びるように……。人間よりはるかに長く生きられるヴァンパイアだからこそ行える、時間をかけた長期的な策ね」

「でも母さん。それなら世界を平和にしていけば、争いは無くなるんじゃないかな? そうすればイモータルがどんな手を打ってきても何とかなると思うし、人が世界を壊そうとしなければ本格的に介入はしてこないって言ってたよね」

「フェイト……君の言う事は正しいが、それは難しいと僕は思う」

「クロノ、それってどういう事なの?」

「フェイトもアリシアも今、人の争いと聞いたら戦争を思い浮かべているだろう? だけど争いは日常的にも行われている。喧嘩や決闘、勝負に順位と様々だ。それに僕達管理局だって、凶悪な犯罪者や暴走したロストロギアと日夜戦っているという意味でも争いをしている。だから人の世から争いが消えるなんて事はあり得ないんだ」

「それじゃあ遠い未来でもいつか、人類は必ずイモータルに滅ぼされる運命だってのかい? 冗談じゃないよ! 毎日を精一杯生きてる人だっているのに、頭ン中が腐ってる連中のせいで滅ぶ事になるなんて、そんなの認められる訳が無いよ!」

「アルフさんの仰る事は私もよく理解できますわ。誰だってこの世界を世紀末世界のようにはしたくありませんもの」

エレンさんやお兄ちゃんはよく世紀末世界を例えに出すけど、やっぱり実際にそこに住んでいたからこそ言えるのだろう。私も世紀末世界について詳しい訳では無いけど、物資が困窮し、土地は荒廃してて、夜になるとアンデッドやイモータルが徘徊している危険な世界らしい。エレンさんの言う通り、私達が生きているこの世界をそんな風にはしたくない。毎日怯えて暮らすのは……もう嫌だから。

「……ところでロキが言っていた“倫理のボーダーライン”について、皆さんはどうお考えですか?」

「僕はそうだな……世界中を巻き込む大きな戦争を起こしてしまう事じゃないか?」

「私は一部の腹黒い人間に利用されて、悲劇を味わってしまった人間が大勢出てしまう事だと思うわ」

「う〜ん……私はまだよくわかってないけど、大きな兵器とかを使っていっぱい人を死なせちゃう事じゃないかな」

「えっと……誰が見ても絶対に許されない事をしてしまった時、かな?」

「あたしは……本当に世界を壊しちゃいそうな時だと考えたよ。だってロキがさっき、世界を滅ぼす兵器を使う寸前までがどうのこうのと言ってたじゃん」

「……大体意見が出そろいましたね。皆さんが今考えた事、それは誰でも
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