解放
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に約束した、『またね』。その約束を守った俺を向かい入れる言葉を、たった今マキナは言った。だから俺も、素直にその返事をしたのだ。
「戦闘機人の事は気になるけど……サバタ、下でイエガー社長と何があったの?」
「その事は後で話す、リーゼロッテ。ただな……おまえ達も知っておくべきだから伝えるが、驚いた事に奴は人類の敵たるイモータルだったんだ」
「イモータル!? それって確か銀河意思ダークに従い、人類を滅ぼそうとする連中の事よね!? まさかイエガー社長がそんな存在だったなんて……」
「私達はお父様を経由してP・T事件の報告書は読んだから、世紀末世界やイモータルについて大まかな知識は持っているわ。でも次元世界にもイモータルが居たって事は要するに、銀河意思ダークは世紀末世界や地球だけの存在じゃなかったのね……」
「そうだ。銀河意思ダークは次元の壁なぞ関係なく、人類を死滅させようとしている。俺達がどうあがいた所で、ダークに勝つ事は出来ない。だが……人が今を、明日を生きようとして命を繋いでいけば、敗北もまたあり得ないのだ」
「結局、私達がどう次の世代に繋いでいくかって事にかかってる訳ね」
「はぁ……ホント、とんでもない相手が出て来ちゃったよね……」
辟易したように嘆くリーゼロッテだが、そもそも俺としてはこちら側の人類は過ちを犯してばかりである事こそが精神的に辛く感じる。それにロキ曰く、人類が大きな過ちを犯さなければイモータルも介入しにくくなる。だから世界を歪みを正していけば、こちら側の世界なら銀河意思ダークの介入を最小限に抑えられるかもしれないのだ。
銀河意思からの解放……それは人類が宇宙の、ひいては次元世界に進出するに足る生命体である資格となる。果たしてそれが実現可能かどうかは不明だが、願い、追い続ける事に意味があると思う。
ドゴォッ!!
上で激しい爆発音がして、エレベーターが激しく揺さぶられる。恐らく銀髪の戦闘機人が扉を打ち破ってきたのだろう。ここに居たら俺達は袋の鼠……いや、彼女の能力的にどちらかと言えば、ファラリスの雄牛に近いか。ともかくエレベーターは地下4階に付いた。彼女達に追い付かれる前に、何とか脱出の光明を見出さねば!
地下4階はやけに細長い通路が続き、全員で棺桶を引っ張りながら駆け抜ける。棺桶がガタガタ激しく揺さぶられるが、別に気を遣う必要は無いだろう。そして……俺達は地下格納庫のような広い場所に出た。そこにはまるでロケット型宇宙船みたいな風貌の巨大な機体が眠っており、鋼鉄の意思が宿るそいつは静かに目覚めの時を待っていた。
『“ラプラス”』
「“ラプラス”? それがコイツの名前か、マキナ?」
『イマ、ナヅケタ』
「フッ、ならその名前を拝命しよう。そのままコイツも奪って脱
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