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リリなのinボクらの太陽サーガ
解放
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ため、彼女は左腕のエネルギー刃を振るう事で切り裂いてきた。対する俺はゼロシフトで回避、もう一人のナイフを構えた銀髪の方を視野に入れると、向こうは即座にナイフを複数投擲してきた。僅かに身体を逸らして避けようと思ったら、リーゼアリアがいきなり俺とナイフの間に障壁を展開した。その直後、ナイフが爆発し、障壁にビリビリと振動が走った。

「気を付けて、そっちの銀髪は金属類を爆発物に変える能力を持ってるわ!」

「そいつは中々面倒な能力だな……っと!」

後ろから紫の戦闘機人は回し蹴りを放ち、咄嗟に受け止めた俺は勢いを殺さずにCQCで地面に打ち付ける。が、彼女は飛び起きると銀髪の方の援護もあって、すぐに距離を取って態勢を整えてしまう。

「まさか魔法無しでこの私を投げるとは……! ドクターが睨んだ通り、興味深い男だ」

「戦いを楽しむのは良いが、タイムリミットを忘れてはいないだろうな?」

「わかってるさ。すぐにケリを付ける!」

“今だ、走れ!”

アイコンタクトでリーゼアリアに合図を送り、彼女もすぐに頷いてエレベーターまで走る。こちらの意図に気付いた戦闘機人達は、少々慌てながらも追跡してきた。麻酔銃で牽制の意味も込めて彼女達に射撃しながら、先に乗って待っていたリーゼロッテが俺達がエレベーターに乗り込むのを確認すると、すぐにエレベーターを動かした。

「逃がすかッ!!」

扉が閉まりきる前に銀髪の方がナイフを投擲し、速度から見て中に入り込んでしまうのは確実だった。もしここで爆発なんかされれば、エレベーターが止まるどころか、俺達自身もかなりの致命傷を負う事になる。
麻酔銃で迎撃できるか……? などと思ったその時、隣から放たれた一発の銃弾が飛んでくるナイフに直撃、軌道が逸れてエレベーターに入らないルートを取る。エレベーターの扉が閉まり切った瞬間、扉の向こうから爆発音がして、振動がエレベーター全体に走る。どうやらこのエレベーターは社長専用という事もあってそれなりに頑丈らしく、今の爆発で止まるような事にはならなかった。

「はぁ、何とかなったか…………だがマキナ、助けてもらった身で言う事じゃないが、良かったのか?」

俺がそう言葉を投げかけたのは、ナイフをPSG1で狙い撃ったマキナだった。時間が無くてあの場に置いたままだったその銃はリーゼロッテが回収していたと思ったのだが、どうやらマキナが再び自分の手に握っていたようだ。
マキナは真摯な眼でこちらの眼を見つめると、俺の手に文字を書き出した。

『イマダケ、リユウ、アッタ。ミライ、コレカラ、カンガエル』

「そうか。確かにこれからの事は、これから考えれば良いしな。まずは生き残る事を優先しよう」

『アト……オカエリ』

「……ああ、ただいま」

ロキと戦う前
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