解放
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り魔法の発動が妨害されていて戦況は芳しくなかった。それでもここまで劣勢になりながら、絶体絶命まで追い詰められていないのは、魔法を使えなくなる現象……暗黒物質の性質を先に知っていたため、それに対応できるように自分達も鍛えていたためだ。よってAMF環境下でも、並の魔導師以上に戦えている訳である。
とは言ったものの、リーゼ姉妹がこのまま戦闘機人の2人と戦った所で勝ち目は限りなく薄い。俺も“彼女の力”を借りた影響で体力の衰弱が激しく、加勢しても優勢にはならないだろう。となると撤退を取るべきだが、局長室の入り口は戦闘機人の2人が抑えていて通れない。そしてここの地下5階はSEED製造機があったが、それ以外には何もなかった。であるならば……情報が一切ない地下4階しか脱出ルートはない。危険な賭けだが、ここで全滅するよりははるかにマシだ。
「ガッ!?」
「ロッテ!?」
「よし、まず一人!」
リーゼロッテが紫の髪の戦闘機人に腹部を蹴られて吹っ飛び、背後の壁に叩き付けられる。即座に俺はマキナのPSG1を構え、照準を紫の髪の戦闘機人に向ける。位置情報、地形図、気流、呼吸、心拍数、様々な数値が頭の中で解析され、俺は追撃した彼女のエネルギー刃がリーゼロッテの首筋に迫った瞬間に、右肩を狙い撃つ。
「ッ!!?」
片方を討ち取ったと思って油断した彼女は、俺の放った銃弾によって右肩を貫かれ、身体を構成するコード類の一部が露出してショートし、両方とも警戒をこちらに向けた。その時、リーゼアリアの傍にいたマキナが小さな白い光を生み出し、リーゼロッテの傍に駆け寄って回復魔法を使った。
「あ……」
応急処置とはいえ傷が少し治ったリーゼロッテは、自分に回復魔法を使ってくれたマキナに色々な思いが混ざってすまなそうな表情を向けた。だが悠長にしている場合ではない。
「おまえ達、急いでこっちへ来い!」
「サバタ!? わかった、ロッテはマキナを連れて先に行って!」
「アリア……ごめん、頼んだよ!」
リーゼロッテがマキナを抱えて俺の隣を通り過ぎ、エレベーターの方へ駆けていく。追撃を仕掛けて来なかった戦闘機人の二人はどういう訳か俺に意識を集中しており、リーゼアリアと俺は謎の襲撃者である彼女達を見据える。
「さて……おまえ達はどこの手の者だ?」
「悪いがそれには答えられん。それより貴様が例の暗黒の戦士なら、我々に従ってもらえないか?」
「愚問だな。どこの誰とも知らないどころか、こいつらと敵対している連中に俺が大人しく従う訳が無いだろうが」
「そうか。では力づくでも、おまえをドクターの所へ連れて行かせてもらう!」
会話もそこそこに、紫の方は凄まじい速度で斬りかかって来る。先程右肩を撃ち抜かれて右腕が使えなくなっている
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