解放
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識を失います。ああ、後遺症は残りませんのでご安心ください……と、今言った所で聞こえていませんでしたね。ふふふ……」
淑女のような微笑みを見せるエレンさんは、まるでこれが当然であるように……いやむしろ、掃除で集めたゴミを捨てる時みたいな作業感覚でハウスマンを気絶させたらしい。私達にはよくわからないけど、エレンさんはこれまで“裏”と渡り合って来て、ハウスマンのような人を何人も御してきたんだろう。相手が話を聞く姿勢じゃなかったのはわかるけど、やっぱりこういう光景を実際に目の当たりにすると少し辛く感じる。
「すみません、少々気分を害するような光景をお見せしました。が、あなた方の裁判の勝利はこれでほぼ確定です。閣下も裁判官に賄賂などの手が回らない様にしてくれましたし、もう敗訴するような事はありませんよ」
「そう……ひとまずお礼を言った方が良いわね。ありがとう、おかげで娘達の未来を守る事が出来たわ」
「いえ、その言葉は私達ではなく、彼に伝えてください。私達はあなた方の裁判を利用して、重要案件を片付けたに過ぎません。今回の件で最も危険な任務をやり遂げたサバタこそが、一番の功労者なのですから」
「そうね……彼が戻ってきたらちゃんと言うわ。でもエレンさん、あなたやサルタナさんが手を貸してくれなかったら、私達家族の運命はまたしても歪められていたのだから、お礼はあなた達ラジエルの人達も受け取っておいて欲しいわ」
「そうですか……ではありがたく受け取っておきます。しかし、まだサバタが帰ってきていないので油断は出来ません。ハウスマンや元部下の武装局員達はラジエルクルーに連絡して確保しておきますから、今は彼と連絡を取って合流ポイントを決めましょう」
確かに私達も彼の任務はまだ終わってないと思い、無線機を取ったエレンさんを見守る。また私達家族を助けてくれた、お兄ちゃんが帰って来るのを祈りながら。それにお兄ちゃんが帰ってきたら、今度はイモータル・ロキを浄化しなければならないから、パイルドライブが出来る私やパイルドライバーを召喚出来る姉さんも忙しくなる。でもお兄ちゃんの役に立てるなら、それぐらい全然容易いものだった。
だけど……彼の戦いは本当にまだ終わって無かったみたい。
『ザ〜……ザザッ〜』
「? どういう訳か外部の者によって、通信が妨害されていますわ」
「え? じゃあ向こうの様子がわからないってこと!?」
「妨害って……お兄ちゃんは大丈夫なの!?」
「サバタの事ですから、きっと自力で何とかするでしょうけど……流石にイモータル戦の直後ですからね、いくら彼でも危険かもしれません」
「危険かもって……あんた、サバタの友達なんだろ!? 心配じゃないのかい!?」
「言われずとも心配に思っています……! 私は彼
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