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リリなのinボクらの太陽サーガ
解放
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「絢爛たる混沌よ、悠遠の彼方より来たれ! 燦然たる死よ、永劫の彼方より来たれ!」

奴が詠唱した直後、ロキの両手から黒い光が放たれ、線上に伸びると剣の形を取って固定された。右は混沌を表す西洋剣、左は死を示す曲刀、と武器の細かな種類は異なるが、どちらもヴァンパイアが振るうに相応しい性能と威圧感を伴っていた。

つま先を床に何度か軽く打って靴の位置を整えた次の瞬間、ロキが爆発的な速度で真正面から斬り込んできた。こちらは手に持っていた大剣で機敏に受け止め、耳障りな金属音が部屋中に鳴り響く。

「おまえ……策略家のくせに、剣を自らの手で扱うのか……ッ!?」

「フフフ……イモータルが剣を使うぐらい、何も不思議な事では無いだろう? 人間は様々な武器を無作為に作っては誰かに対して使い、血を流させている。非殺傷設定などという都合の良い魔法(弾丸)が使えるデバイス(兵器)にかこつけて、他者を害する事を厭わない人間が、この次元世界には大勢増えている」

「それで、何が言いたい……?」

「便利な道具に頼り過ぎ、何らかの事情でそれが使えなくなれば……。そして自分の身を守ってくれる法やシステムが役に立たなければ、その時は何が最も自分の身を守れる? ……答えは簡単」

直後、ヴァンパイアの膂力で弾かれ、俺の体は後ろの方に投げ出される。空中で身体を捻り、床に左手を一瞬付けて着地体勢を整え、両の足で上手く床に降り立つ。

「自分の腕っ節だよ、暗黒の戦士!」

断言してきたロキだが、そう言わせるだけの実力は間違いなく備わっていた。こいつは策略家のくせに……いや、だからこそ今回のような危急の事態に陥っても、自力でねじ伏せられる力を備えていたのか。
面倒だな……こういう輩は手札を何枚も隠し持つタイプだ。戦い方は武闘派でもその実、頭の中では状況を覆す方法を考えている。下手に長引かせれば、こちらの状況が悪くなる確率が高い。

「おまえが今言った事を否定はしない。だが……散々権力を利用してきた社長のおまえが言うと、妙な説得力があるな!」

「ククク……管理局は一見すると法や実力で治安を守っているように見せかけ、実際は自ら人類同士を争わせ破滅に向かうように仕組まれた……いや、正確には変化したシステム。私はその循環を手助けしただけに過ぎないのだよ。プロジェクトFATEもSEEDも長期的に見れば人類の遺伝子を劣化、損傷、減少させていく事に、愚かな連中は一切気付かない。メリットばかりに目を向けて、その代償を知ろうともしない。だからこそこういう連中が宇宙や次元空間に進出していく事は、銀河系のみならず全ての世界を滅ぼす事を意味する!」

「ロキ、おまえの言う愚かな人間は、気に入らないが確かに存在している。だがな、全ての人間がそうであるはずが無い! 俺がこち
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