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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話3話 ディーネの憂鬱
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すのは避けたい。となると必然的に、体術等の無手で可能な格闘術に限定される。以上の事を踏まえた結果“剣技に柔術と蹴りを取り入れ、更に剣を片手に持ち替え不意打ちで拳や投げも入れる”と言う結論に至った。

 しかしこれは、あくまで剣の補助にすぎない。剣技自体を向上させなければ、先は無いのだ。それには、剣をもっと自在に操れるようになる必要がある。型の練習を増やすのはもちろんだが、加速した剣を制御する為にも筋力向上は絶対に必要だ。先に目標とした技術(カウンター対策。受け流し対策)も、早急に身につけなければならない。

 ……これらの課題をクリアするのに、実に2年の時を消費してしまった。しかしその甲斐は、十分にあったと言える。

 そう。ハンデ付きとはいえ、お父様とお母様に勝つ事が出来る様になったのだ。これは大きな一歩と言えるが、それだけでは無い。これでギルに固有武器を作ってもらえるのだ。

 実はギルの部屋で、私の固有武器の設計図と見た目だけのサンプルを見る機会があったのだが、そこに記された反則的な性能と美しさ……何より、愛剣と言葉を交わせる事に私は心を躍らせていた。……それでも帰還したギルを引き摺り、工房に連れ込んだのは淑女として問題があったと思う。

 ギルが完成させた剣は、確かにドリュアス家最強の剣と言える物だった。

 しかし、ギルに渡された剣は……魔法金属を使っていないので、杖としての性能はお世辞にも良いとは言えない。(通常の杖剣と同程度)三つの術式(《帰還》《障壁》《癒し》)は組み込んであるが、制御自体は自分で行わなければならない。(詠唱が要らない分、自分で魔法を使うよりマシ程度)そして突貫作業だった所為か、出来上がりの処理がイマイチの上に重い。(これは私が急かしたので、あまり文句は言えない。この際、重いのは我慢する)

 ……だけど一番問題なのが、これインテリジェンスソードじゃないんですよね。(愛剣と語らうのを、楽しみにしていたのに)

 不思議に思いギルに確認すると「技術的問題(魔法金属の鍛造)を解決できていない」と、返答が帰って来た。しかも「勿体無いから魔法金属は使わなかった」との事。(鍛造でなくとも、魔法金属を使えば段違いの性能を確保できる。ミスリルやコルシノ鋼は貴重だが、そこはケチって欲しくなかった)

 ……身の安全が掛かっている以上、思わず怒鳴ってしまった私は悪くないと思う。

 とにかく技術的問題が解決したら、新しい物を打ち直すと言質は取った。しかしギルは非常に多忙で、完成が何時になるか予想出来ないのだ。

 早く正式な固有武器が欲しいなら、ギルの負担を少しでも軽くする必要がある。それには、領の仕事を覚えるのが早道だろう。私は私なりに出来る事をする。そう決意して頑張っていたのだが、そんな状態でも厄
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