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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話3話 ディーネの憂鬱
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高さが(うかが)える。

 とりあえず、私の声を聞いてしまった者達に事情を説明しておく。証拠として前屈姿勢をやってみせると、一発で信じてくれた。どうやら私の体が固くなっているのは、使用人達の間で既に有名になっていたらしい。カトレア姉さまの態度が、以前と変わっていなかったのも要因の様だ。

 とにかくこれで大丈夫と思ったら、何故か噂はより広まってしまった。

 何故か分からずにギルに泣き付くと「人は信じたい物を信じるのですよ」とか言われるし。訳分からん。更に「もっと分かりやすくと言えば、否定すればするほど真実味が出てしまうのですよ。今回の場合は……」と言う様に難しい話が続く。要約すると“私が近しい使用人を使って噂をもみ消そうとしたから、かえって真実味が出てしまった”と言う事らしい。勘弁してくれよ。

 その話を聞いて私が出した結論は……

「ギル。私では解決は無理です。手伝ってください」

 自力解決は不可能と言う物だった。それに対しギルは、溜息を吐きながらも頷いてくれたのだった。

「実を言うと、状況はひっ迫している訳ではないのですよ」

 それは私も分かっていたので、素直に頷いておく。本当に不味い状況なら、ギルやお父様お母様が即座に動いているからだ。しかし、その理由までは分からないので、教えて欲しいと目で訴えておく。

「結論から言って噂が外に漏れても問題無いのです。……その一番の理由は、今の貴族社会の根底に関わる事です。現状ハルケギニアの結婚は、一夫一妻制です。これは始祖の時代からの決まりですが、血を後世に残す事を重視すれば一夫多妻が普通なのです。しかしそれを律義に守っていては、お家断絶もありえます。現に先代(マリアンヌ様)、今代(アンリエッタ姫)の王族は姫一人と言う不味い状況です。と言っても、今代に関しては王が婿養子なのである程度仕方が無いのですが……」

 ギルは仕方が無い等と言っているが、実際かなり洒落にならない状況なのではなかろうか?

「話しがそれました。お家断絶はとにかく拙いので、子供に恵まれない貴族は妾を持つのが当たり前なのです。一夫一妻制を(かたく)なに守っているのは、王族や一部の上位貴族くらいですね。……加えて、分家の存在も重要になって来ます。次代へ血を繋ぐ為の予備ですね」

 その予備(ヴァリエール公爵家)を含めトリステイン王家には、一人も男子が居ない事実……実はかなりヤバイのではないだろうか?

「そしてドリュアス家程の大きな家に分家が無いのは、かなり拙い状態と言えます。加えて樹の精霊との交渉役と言う血筋は、トリステインでも王家に次ぐ重要な血筋です。国からすれば、分家を早く作れと言うのが本音ですね」

 確かにドリュアス家の血筋が途絶え、樹の精霊と再び敵対関係になっては
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