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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話3話 ディーネの憂鬱
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……赦しくれ。赦しくれよ〜〜〜〜」

「無理♪」

 本当に地獄だった。それ以外の言葉は出ない。

「これ位にしておきましょう」

 やった。生き延びた。

「明日からはもっと厳しく行きますよ」

「へっ!?(これで終わりじゃないのか?)」

 その言葉通り、次の日からも柔軟地獄は続いた。訓練が終わった後に捕まり、湯を楽しんだ後にも捕まる。一度捕まると、30種類以上のポーズを10〜30秒ほどやらされる。それを2〜3セット程……時間にして1時間位だ。

 一度逃亡を試みたが、カトレア姉さまに即捕縛された。私が逃亡に使った時間は、そのまま二人の時間の減少につながる……らしい。こうなったら、単独での逃亡は不可能と見て良い。ならば協力者を……と言う事になるが、当然それを許すギルではない。家族や使用人への根回しも万全だった。アナスタシアやジョゼットに「兄さまにあんまり迷惑かけちゃダメだよ」と言われ、この件で味方が居ない事を悟らされた。

 こうなると、恥の拡散だけは抑えておきたい。事情を知る者達に、口止めをするのが精一杯だった。だがこの口止めが、余計な事態を生む事になる。

 一部のメイド達に、不可解な反応をする者達が出て来たのだ。何故か私の顔を見ると、顔を真っ赤にして目をそむける。仕事は普通にこなしているのだが、その間も私と目を絶対に合わせない。何故か悪寒が走った私は、そのメイド達を拘束(簀巻き)し問い質した(尋問)ら……

 曰く、私とギルが男女の関係になっている。
 曰く、ギルの方から押し倒した上に家族や古参の使用人公認である。
 曰く、そこにカトレア姉さまも交じって(ただ)れた関係に……

 何処の噂好きのおばちゃんだよ。私はまだ乙女だよ。呆れていると、その原因は柔軟時の私の悲鳴らしい。あれを聞かれていた? 滅茶苦茶恥ずかしい。いや、それ所じゃない。こんな噂が姉さまの耳に入ったら……と思ったら、既に知っていて後始末をしっかりする様に脅迫(おねがい)された。恐かった。

 慣れない作業だけど、やるしかない。私は早急に噂をもみ消そうとしたが、既に使用人の間に広がってしまっている様だ。

 途方に暮れていると、ギルが手伝ってくれる事になった。

 ……群衆心理? 飛語(蜚語)? ゴシップ? デマ? 流言? 言っている事は何となくわかるが、頭がついて行かない。私が“流言等の搦め手に弱そう”とか、全くもってその通りだよ。これを機に経験を積むとか言われても……出来るか!!

 事情を知っている者達には、憐みの目で見られるし……殆どの古参使用人は「くだらない」と切り捨てて居る様だが、例の声を直接聞いてしまった者達や新参の使用人達は、信じると言うより困惑している様だった。この辺りは、ドリュアス家の信用の
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