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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話3話 ディーネの憂鬱
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…」

「書きませんよ。“傷ついた姫と不良騎士”と“鏡映しの王子”を書いたでしょう」

「……そっか」

 思考を読まれたのか、お願いをする前に先手を打たれてしまった。台本の数に余裕はあるが、出来るだけストックは欲しいのだ。いざ困窮した時に、私やギルに余裕があるとは限らない。私はギルの隣に座り、その腕に抱き付いた。カトレア姉さまの前でこれをやると、高確率でギルは折れてくれる。(このおねだり方法は、自爆技に近く多用すると凄く危険)

「ギル。どうにか台ほ……」

 ここで食らい下がった事を、後悔する羽目になるとは思わなかった。

「それよりディーネ」

「何ですか?」

「そこに立ってください」

 有無を言わせない口調。本気だ。頼み事以前に、今のギルに逆らうと絶対に不味い事になる。言われたとおりに立つと、ギルは私の腕や脇腹、(もも)脹脛(ふくらはぎ)を次々と触って行く。女性の体を気やすく触るのは、どうかと思う。……鉄拳制裁は必要だろうか? そんな事を考え始めた所で、ギルは私の手を握り部屋の外へ引っ張り出した。

「ギル? 何を?」

 そしてそのまま廊下を進み、行き着いたのは私の部屋だった。部屋の鍵は閉められ、私はベッドの上に投げ出される。

「ギル。本当に何を……」

 今私の頭に浮かんでいるのは、カトレア姉さまに刺される未来だったりする。浮気は良くない。しかしそんなピンク色の思考は、一瞬にして吹き飛ばされる事となった。

「ディーネ。体がずいぶんと固くなっていますね」

 まずい。割と本気で怒っている。部屋を出る時に、カトレア姉さまが無反応だったのはそう言う事か。

「体の柔軟性がどれだけ大事か、私はキッチリ説明しましたよね?」

 私はその質問に答えられない。

「説明……しましたよね?」

「……はい」

 目を逸らしながら頷くのが精いっぱいだった。ここでの下手な言い訳は、地獄を見る事になる。もう遅いかもしれないが……

「自覚はある様ですね。ならば、とやかく言う心算はありません」

 その言葉にホッとしていると、次の言葉で地獄に落とされました。

「先ずは“股割り”から行きましょうか」

 物凄く良い笑顔のギル。その嗜虐的な笑みは、お母様とソックリだった。

「(股が)裂ける裂ける裂ける〜〜〜〜!!」

「(股は)裂けません。大丈夫です」

「乗らないで!! 乗らないで!! 痛い!! 痛いって〜〜〜〜!!」

「叫んでないで、言われたとおり息を吐きながら力を抜いてください。そうしないと、何時まで経っても痛いままですよ」

「無理無理無理!! 死んじゃう。死んじゃうから!!」

「そう言って死んだ人は居ません」

「もう
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