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鏡に映るもの
2部分:第二章
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ハインリヒは馬から降りて城の門の前まで来た。大きさ的には出城と言っていいものだった。だがそれでもその外観は白くやはり立派なものだ。その前まで来ると。不意にその門の扉が開くのだった。
「むっ!?」
「開いた!?」
 その黒い門が開いたのを見てハインリヒもフリッツもそれぞれの武器に手をかけた。ハインリヒは腰の剣に、フリッツは携帯している斧に。それぞれ手をかけたのである。
「何だと思うか」
「間違いないかと」
 フリッツは正面に顔と身体を向け主に横目で応えながら述べた。
「やはり今回も」
「賊か」
「まず間違いありません」
 こう言うのであった。
「向こうから開いたということは」
「ならば斬り伏せるのみだ」
「いつも通りですね」
「そうだ。来るなら来い」
 今まさにその門から出て来ようとしているであろう相手に対して述べた。
「このハインリヒ。そう簡単にやられはせぬぞ」
 その決意を剣に込め待ち構える。だがその門から出て来たのは。柄の悪い盗賊などではなかった。むしろそれと正反対の相手であった。

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