10部分:第十章
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った。
「御願いしたら入れてあげるよ?」
「どう?」
「いや、今は別に」
「私も」
やはり二人の返事は変わらない。やはり特にも入りたくはないのであった。
「そういうことだ」
「気持ちだけ受け取っておこう」
「そうなんだ。それじゃあもう何も言うことはないし」
「またね」
妖精達はすぐに気持ちを取り戻してまた二人に話してきた。
「今度会う時はもっと面白い悪戯用意しておくから」
「楽しみにしておいてね」
「別に会いたくはないけれどね」
ハインリヒは特に面白くなさそうに返すのだった。
「けれど。またね」
「私も」
フリッツも一応はという感じで妖精達に対して述べた。
「また会おう」
「うん。またね」
「今度はお家に招待してあげるからね」
「僕達の湖の中のお家にね」
こんなことを言いながら湖の中に消えるのだった。勝手なことを言ってそのまま姿を消した形だった。何はともあれこれで話は終わった。湖のほとりにハインリヒとフリッツだけが残っている。二人は妖精達が消えてからもまだそのほとりに座っているのだった。
「何かな」
「ええ」
フリッツが主の言葉に応えて頷く。
「あっという間だったね」
「全くです。何が何だか」
「とりあえず。妖精には会った」
「はい」
「何が何なのかわからないうちだけれど」
「それでも悪くはなかったですが」
「うん。けれど」
それでも微妙な顔のままのハインリヒであった。どうにも釈然としないままである。
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