第一部
第六章 〜交州牧篇〜
六十七 〜別離〜
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昔みたいな真似をした時は」
「…………」
「その時は、夜逃げして旦那のところへ行かせて貰うぜ? な、元皓?」
「夜逃げとか人聞きが悪いなぁ。……でも、太守様。僕にもそのぐらいの覚悟はあります、それだけは忘れないで下さい」
「……相わかった」
そして、数日後。
「それでは、お師様。お達者で」
「うむ。麗羽、冀州を、民を頼んだぞ?」
城門のところで、別れを交わす。
「もう、太守様……とはお呼び出来ませんね。歳三様、またお会い出来る日を楽しみにしています」
「旦那、たまには書簡でも送ってくれよ?」
「うむ。斗誌、猪々子もしっかりな?」
「はい。いろいろと、お世話になりました」
「姫も民も、あたいが守るさ。勿論、斗誌もな」
「もう、文ちゃんってば!」
ドッと笑いが巻き起こる。
この雰囲気ならば、問題ないであろう。
「殿。そろそろ参りましょう」
「そうだな。では全軍に出立を伝えよ」
「はっ!」
駆けていく彩。
交州への同行については、まさしく愚問であった。
ふっ、『愛した殿と今更離れられる訳ありませんぞ』、か。
言い終えた後、赤くなるぐらいならば最初から申さずとも良いものを。
「愛里、朱里。行くぞ」
「はい!」
「はわわ、は、はいです!」
見送りに出た者らに手を振りながら、我らは新天地へと歩み始めた。
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