暁 〜小説投稿サイト〜
とある3人のデート・ア・ライブ
第七章 歌姫
第4話 異端者(イレギュラー)
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士織「了解」

数分ほど後を追うと、一号館に設置されているトイレを素通りし、セントラルステージに向かっていった。

そしてそのまま観客席を抜けると、関係者以外立ち入り禁止と書かれたロープをくぐって、ステージ裏の方へと入ってしまう。

士織「あ……」

琴里『追うのよ、士道』

士織「り、了解」

若干の罪悪感を覚えながらも、意を決してロープに手をかけた。

その時。

「そこで何をしてるの?」

誰もいない観客席から、女の子の声が聞こえた。

従業員の人かと思い、怒られる覚悟で勢いよく振り向くと。



凜袮「確か……″五河士織″さん……だよね?」



先ほどの少女がそこにいた。

士織「あなたは……″園神″さん……?」

士道が彼女の名を呼ぶと、一瞬悲しそうな顔をされたが、すぐに先ほどの微笑を取り戻すと、士道に向けて言った。

凜袮「そこから先は立ち入り禁止だよ?何かあるの?」

士織「いや、えっと……」

琴里『……予想外だわ。異端者(イレギュラー)とは本当に厄介ね』

琴里も対精霊に関しては何が起ころうともその場で最適な指示をパッと出せるのだが、こんな展開は予想を上回る展開なようだ。

琴里もどうしたらいいか分からないらしい。

凜袮「五河さんって好奇心旺盛だね。確かにこういうとこの裏舞台とか私も気になるし、あんなレッテル貼られてたら入りたくなるのは分かるけど」

ふふ、と微笑む凜袮に対して士道はポカンとしていた。

士織「……へ?」

琴里『……ラッキーね。そのまま押し通してちょうだい』

琴里もそう言ってるので、苦笑いしながら凜袮に言う。

士織「そ、そうなんですよ。俺……じゃなくて、私ってこういうとこ入りたくなる人なんで……」

凜袮「そうだね。まさか……」

微笑みを崩さないまま、士道は冷や汗を流しながら、でも凜袮は言ってみせた。






凜袮「まさか女装して声まで変えて、ちょっと前に入って行った精霊さんを追おうとしているわけないよね?」







それは、

琴里と士道の顔を驚愕と恐怖に変えるのはとてつもなく容易かった。

琴里だけではない。クルーにいた全員がそう思っているだろう。

言葉すら出なかった。

口の中が異様な速さで乾いていくのが分かる。

全てを見透かしているように。全てを知っているかのように。

笑顔で保つのも辛い。いっそのこと膝から崩れ落ちたいぐらい、彼女は強く、怖かった。

凜袮「私は色々知ってるよ。特に、士道のことはね」

士織「俺の……こと……?」

もう女言葉や敬語で話すことも忘れて、『五河士織』という仮面ではなく『五河士道』
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