暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
91話:門寺士≠フ貴重な戦闘シーン(後編)
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「悪いなのは、早速だけどちょっと肩借りるわ……」
「ど、どうしたの士く―――」
瞬間、ギュグルゥゥゥゥゥゥゥ…と、本来の姿に戻ったフリードの鳴き声並の音が、なのはの耳を劈(つんざ)いた。何事か、と思うなのはだったが、答えはすぐに士の口から聞けた。
「―――はら、減った…」
「……は?」
「体中痛いし、魔力も使いすぎた…腹減って、眠気もあるんだ。もう少し早く話を切り上げて…飯食って、すぐ寝るつもりでいたんだが…どうも予想が外れた……」
士の言葉に、なのはは思い当たる事があった。それは模擬戦での自分の魔力弾と、先程までの怪人戦だ。
そもそも、士はあの時疲労と魔力切れで倒れ、つい数時間前まで寝込んでいた身だ。更に先程の戦闘で怪人からの攻撃を生身で受けていた。寝て多少回復したとはいえ、体にガタがきても十分可笑しくなかった。
「すぐ飯にしたいが、その前に眠い…だから悪いけど、お前の肩貸して。少ししたら叩き起すなりして、食堂まで連れてってくれれば、いいから……んじゃ、頼んだ…から……」
「ちょ、ちょっと士君!」
慌てて彼の名を叫んだが士はもう既に夢の中、早くも静かな寝息を立てていた。
いくらなんでも早すぎ、と思うなのはだったが、それほど士の体と精神は疲弊していたのだと、思い知らされる。今更ながら、模擬戦の事について『ゴメン』と謝ろうとするが、今の士には無意味な行動だ。
「『信頼してる』、かぁ……」
左肩で士を支えるなのはは、士が先程言った言葉を自分の口で発した。しかしなのはには、士に信頼されている事を日頃から感じる事はあまりなかった。何でも一人でこなす、それがなのはの中での彼のイメージだったからだ。
なのはは左肩に乗る士の顔を覗き込んだ。警戒心のない、リラックスした表情だ。外でしかも人の隣だというのにこの表情ができるのは、自分の事を余程信頼しているから?
そう思うなのはだったが、ふと自分の状況に気づく。海辺の場所で二人きり、しかも傍らには疲れ切って眠る…自らの『想い人』。
かぁ…と顔が赤くなるのが自分でもわかる。すぐに士から顔を背け、真っ赤な顔をどうにか抑えようと努力する。が、こういう事は一度気づいてしまうとどうしようもなくなる。この真っ赤な顔は、しばらくはどうにもできないだろう。
再び士を見るなのは、だが先程とは違いチラ見程度に彼の顔を視界に収めた。やはり寝ている。自分が多少動いても寝息が乱れていない、どうやら熟睡のようだ。
その時、なのははあることを思いつく。そして意地悪そうな笑みを浮かべると、思い立ったそれを実行に移す。
「ん…」
自分に倒れ掛かる士の体を、ゆっくりと動かす。体勢が横にすると、顔をこちらに向けて頭を
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