暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
91話:門寺士≠フ貴重な戦闘シーン(後編)
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士君の体が覆いかぶさったと思ったら、そのお腹から血が出てきて…すぐに刺されたって事がわかって。あの時ちゃんと体が動いていれば、あんな事にはならなかった。そんな後悔は、今でも続いてるんだよ?」
「…だがそれは」
「だからッ! 今度は私が、士君を助けられるように! いつ頼ってきてもいいように、強くなろうとしてきたつもりだよ!? それを、否定するようなこと…言わないで…ッ!」


 反論しようとした士さえ抑え込み、なのはは一息にそう言い切った。
 嗚咽をしながら、なのはは息を整える。その頬には涙がより一層流れており、どれだけの想いを抱えているか、容易に勘ぐることができた。

 しかし…否、だからこそと言おうか、士は深いため息をついた。


「お前、それ自分で言っててわかんねぇ?」
「……何が…」

「お前が言いたい事を聞いてると、どうしても『教導は後悔を拭い去る為の道具≠ニか手段≠セ』としか聞こえないぞ?」

「ッ…!!」


 士の言葉に、思わず喉を詰まらせるなのは。体の芯を貫いた衝撃は、流れる涙も絶えず続いていた嗚咽も停止させた。


「そ、そんな事……!」


 ない。そう言おうとするが、その言葉が口から出かけて、何故か飲み込んでしまう。
 それは士の言ったことが、的を得ていたからだ。心の隅にあった矛盾を突くようなあの言葉は、なのはの思考をぐちゃぐちゃにするには十分な内容だった。

 私の教導が道具=H手段=H 違う、そんなんじゃない! だって教導隊は私の夢の舞台だ、それをそんな物のように思ったことなんて……
 でも、じゃあなんで反論しなかったの? なんで黙っていられるの? それはやっぱり彼の言葉が図星をついたからじゃないの? 心の何処かで、そのことを自覚してたんじゃ……
 いや、違う! 私は、私はそんな―――ッ!!


「キツい言葉かもしんねぇけどよ、お前の夢だった戦技教導隊≠チてのは、そんなんじゃないだろ? 自分の夢とか目標とかを、つまんねぇ事のこじつけた理由にすんじゃねぇよ」


 まぁとにかく、一回落ち着いて座れ。と士は先程までなのはが座っていた、自分の横の地面を叩いて言った。
 思考のままならないなのはは、その言葉に素直に従って士の横に座る。しかし頭の中では先程の士の言葉や、士に言われたことへの自問自答が反芻しており、まともに士の言った意味を考えられる状況ではなかった。

 そんななのはの深刻そうな表情を覗き込んだ士は、再びため息をつくとまたなのはの頭にデコピンをした。今度はさっきよりも強めに。


「いッ…たぁ…!」
「まったく、お前は複雑に考え過ぎなんだよ。大バカなら大バカなりに、単純に物事を考えてればいいんだよ」
「ま、また大バカって言った! 私
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