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ブラック・ブレットー白き少女
絶望からの始まり
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んで、生きてるの?

 なんで、浩一はガストレアである私を助けたの?

 なんでっ? なんでっ!?

 まさか…………アルデバランは不死?

 …………いや、関係ない。

 絶対に殺してやる!

「…………ろ」

 えっ?

 今、浩一の声が、

「やめろ、逃げろ」

 私はその言葉で少し冷静になった。

 私は周りのガストレアをもう一度吹き飛ばし、浩一をくわえて飛んでいった。


ーーーーーーーーー浩一視点ーーーーーーーーー


「…………ち、…………いち」

 なんだ? 俺を呼ぶ声がする。

「……ういち、起きろよ浩一!」

「…………アリス…………か?」

 俺が目を開けると、そこには泣きじゃくったアリスの顔があった。

「なんつう顔してんだ…………!!!」

 しかし、俺は最後まで喋ることが出来なかった。

 自分の腹部を見ると大量の血と、風穴が開いていた。

「…………ごめんなさい」

「? 何…………謝ってんだ?」

「私が…………油断しなければ…………浩一は…………」

「ってことはあの龍のガストレアはやっぱりお前だったのか…………」

「…………そうだよ」

「…………まあ、そんなことはどうでもいい」

「えっ?」

 アリスは心の底から意味が分からないと言った顔をしていた。

「私はガストレアなんだよ? なんでそんなに変わらずに接してくるのさ」

 ははは、そんなの決まってる。

「お前の正体がなんであれ、お前は俺の立派な仲間だよ」

「っ!!!」

 アリスは心底驚いていた。

「いいか? 化け物かどうかは見た目じゃねぇ、中身で決まるんだ。お前は化け物なんかじゃねぇ、普通の人間だよ」

「浩一ぃ…………」

 ああ、視界が霞んできた、こりゃ長くは持たないな。

「アリス…………最後の頼みだ」

「…………何……」

 そんなに泣きはらした顔さやがって、これじゃあ往生できねぇっつの。

「最後のくらい…………笑った顔見せてくれよ」

「浩一…………」

 アリスは少し戸惑った顔をしてから、泣きながらだが、笑顔を見せてくれた。

「ああ、時間稼ぎももう充分だろ…………、俺はやり遂げたんだな…………」

「うん…………浩一、よくできました」

 ははは、最後まで…………お前らしいな…………

「アリス…………俺の武器はあるか?」

「えっ? あるけど」

「じゃあ、それはお前にくれてやるよ」

「いいの?」

「ああ、そいつもその方がいいはずだ…………」

 最後にそう言って俺の意識は闇へと落ちていった


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