エピソード31 〜盗まれたデッキ 後編〜
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「おーおー、やってるね〜。」
紫苑とラー・イエローの子ーー神楽坂だったかな?が決闘を繰り広げている崖から少し離れた岩場の隙間からコソコソとしながら観戦をしている。
ちなみに現在の戦況は
神楽坂君の残りライフは3300で、手札は残り一枚。そして、フィールドにはブラマジとブラマジガールの師弟コンビだ。
それに対する我が弟、紫苑はライフが6100で、手札は0枚。フィールドには『バトル・フェーダー』のみとなっている。
どちらかというと神楽坂君の方が有利なのだが、ここからどうなっていくか楽しみだ。
「魔法カード『天よりの宝札』を発動!」
天から光が差し、互いの頭上から六枚カードが降ってくるという演出がされる。まさしく天よりの宝札と言ったところだ。これにより、二人のハンドアドは並び、神楽坂君に至ってはメインフェイズ2が残されているため、もう少し動けるようになる……のだが。
「いや、それは悪手だよ。」
いくら布陣を整えられるからと言っても、紫苑にはバトルフェーダーのみ。その状況からブラマジコンビを倒せる確率はそうそう高くない。ここはどちらかというと今は発動させずに我慢する所だ。
ほら、同じ事を思ったのか紫苑も密かに笑ってるし……。
「俺は『ブラックマジシャン』と『ブラック・マジシャン・ガール』の二体を生贄に『黒の魔法神官』を特殊召喚する!」
『黒の魔法神官』
☆9 ATK3200
ブラマジコンビがありったけの魔力を使用し、二人の間に深紫に発光する魔法陣が浮かび上がり、黒の装束を着た魔導師が現れる。
ブラック・マジシャンが年老いた姿なのだろうか。姿や佇まいがよく似ている。だが、体に纏う魔力は衰えることなく、むしろ増しているような気がする。
「てか、『黒の魔法神官』ってどんな効果だっけ?」
「黒の魔法神官が存在する限り、罠カードの発動を無効にし、破壊できる!」
「なるほどね。」
知ってても知らなくてもあらかじめ効果の説明をしておくのは、マナー。神楽坂君もそこのところはちゃんとわきまえてるのかしっかりと説明をしてくれる。
たまにいるんだよ、攻撃が決まったら、「このカードを発動していた。」とか、後出しじゃんけんみたく効果を発動してきてドヤ顏をかましてくる輩が。観客は盛り上がるからいいのだが、こっちとしては不愉快極まりないので思わずオーバーキルしてしまうのだ。
おっと、思考が逸れた。『黒の魔法神官』の効果は罠カードの発動と効果を無効にできる『起動』効果。つまり、『王宮のお触れ』のように無闇矢鱈と罠カードの効果を無効にするわけではなく、自分にとって都合の悪い効果だけを止められる。つまり、紫苑のみ罠カードが使えない、という状況にな
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ