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SAO−銀ノ月−
第編集後記話+α
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そのままどこかへ飛んでいく……訳がなく。ある地点にたどり着いた瞬間に、急激に方向転換すると、四方八方からスメラギを襲いだした。

 風魔法。それによってクナイの方向を変え、さらにスメラギに向けて誘導弾のような役割を果たす。レプラコーンに転生したショウキだったが、初期に習得出来る風魔法程度ならば、既に取り戻すように習得していた。

「……ふん」

 それをスメラギは、つまらなさそうにカタナを一度だけ振るう。ソードスキルでも何でもないその一振りで、四方八方から炸裂しようとしていたクナイの、ほぼ全てが二つに分割して地に落ちる。最後に顔を少しズラすと、残ったクナイはスメラギの髪を掠めて消えていった。

「まさか、これだけではないだろうな?」

「……当然!」

 不規則に飛んでいたショウキが、突如としてスメラギの方向に飛翔する。今までの勢いのまま、最高速でスメラギに接近する。高速で接近した後の斬撃――

 しかし、スメラギに見切れぬ速度ではない。飛翔するショウキを迎撃するように、スメラギはカタナを構えて一瞬の交錯に集中する……が、ショウキはスメラギに攻撃することなく、むしろスメラギを最高速で追い越した。

「もらった!」

 当てが外れたスメラギのカタナは空振り、ショウキは最高速からピタリとスメラギの斜め後ろに止まる。その手は日本刀《銀ノ月》の柄に添えられており、銀色の刀身が鞘から顔を覗かせていた。

「抜刀術――」

 そこで彼の最も得意とする技による、最速の一撃での決着。それをショウキは狙っており、目論見通りスメラギのカタナは空を切って隙が出来ており、あとは抜刀術を仕掛けるのみ。……そんな状況だったが、ショウキは抜刀術による攻撃を止め、正確に首筋を狙っていた日本刀《銀ノ月》を防御に回す。

 スメラギは、ただカタナを空振りさせていた訳ではなかった。彼はソードスキルを発動させ、それを空振らせていたのだった。発動したソードスキルは《朧月夜》――斬撃と同時に周囲に威力のこもった風圧を発生させる――誘い込まれたのはショウキの方だったのだ。

「くっ!」

 ソードスキル《朧月夜》によって発生した、威力を伴った風圧を日本刀《銀ノ月》で減衰しながら、ショウキはスメラギの上方を取る。制空権、という言葉があるように、頭上を取るというのは、それだけで決定的なアドバンテージ。

 そこでショウキは、《朧月夜》の風圧に乗った声を聞いた……スメラギが小さく発していた呪文の詠唱だ。光射す世界に、汝ら暗黒住まう場所なし――そんな意味を持つ呪文を、スメラギはクナイを弾いた時から詠唱を開始しており、つい先程完成する。

 光属性最大単発魔法《ディバイン・レイ》。世界を覆う厚い雲が晴れていき、空に巨大な魔法陣が映し出される。光は平等
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