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妖精の義兄妹の絆
エドラス編
消えゆく街
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し始めた。
ギルドだけではない。周りの民家なども同じようになっていく。
「何これ!!みんな!!」

バチィ

「きゃ。」
ウェンディの行く手を遮るかのように魔力が弾けている。
マグノリアの街は空にできた渦に引き寄せられていった。

オオオオオオ ゴォォォォォ

そして…




ヒュオォォォォ

「うそ?」
ウェンディの目の前に広がっているのは何もない平野だった。
辺りには白いシャボン玉のようなものが無数に舞っている。
「ギルドが…消えた…。街も…全部…。」
ウェンディは辺りを見渡すがどこも同じ景色が広がっているだけだった。
「そ…そんな…。一体…何が起きたの!!?誰かいないの!!?」
ウェンディは大声で叫んだがもちろん誰かが応えてくれるわけではない。
ウェンディ以外の人がいないからだ。それでもウェンディは呼び続けた。
「誰か…。」
次第にウェンディは声を出す事をやめた。現実を受け止めたのだ。
「あれ?なんで私だけここにいるの?街もギルドも全部消えちゃったのに…なんで私だけ…!!」

もぞ

微かに音がした方に目をやった。

ボコッ

地面が音を立てながら盛り上がっている。
「ひっ。」

ボゴゴ… もこ… ボッ ボフ












「な…何だぁ!!?」
地面から現れたのはナツだった。
「ナツさん!!!」
「ウェンディ…あれ?ここどこだ?」
(「私以外にも残ってた…。」)
安心したからか自然と涙が滲んできた。
「何も…憶えてないんですか?」
「寝てたからな。」
「ここ…ギルド…ですよ。」

ヒュウゥゥゥ

「は?」
ナツの頭には?が浮かんでいた。ナツじゃなくてもにわかに信じ難い事ではあるが。
「突然空に穴が開いて…ギルドも街も…みんな吸い込まれちゃったんです。」
「?」
ナツの頭にまた一つ?が増えた。
「本当です!!!残ったのは私たちだけみたいなんですよ!!!」
ウェンディは必死にナツに今の状況を伝えようとした。
「ウェンディ…。どっかに頭ぶつけた?エライこっちゃ。」
「ちがーう。…もしかして!滅竜魔導士だけが残された!!?」
「そうよ。」

ぱたぱた

そこに現れたのはシャルルだった。
「!!」
「シャルル!!よかった!!無事だったんだね。」
「まぁね。滅竜魔導士が持つ特殊な魔力が幸いしたようね。よかったわ。あなたたちだけでも無事で。」
シャルルはそう解釈してウェンディたちを納得させる。
「シャルル…。」
「そりゃ聞き捨てならねぇなぁ。他のみんなはどうでも…………………って、
本当に消えちまったのか!!?」
やっと理解したナツはみんなを呼びかけた。
「消えたわ。
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