第十五章 忘却の夢迷宮
第一話 定まらぬ未来
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タたちの事がバレたらしいよ」
「あ〜……そりゃね。一人二人なら男の甲斐性でどうにか出来るだろうけど、流石にあの数はねぇ……」
ギーシュ達が知るだけでも、士郎と特別仲のいいご婦人たちは片手で余っていた。
最近学院に赴任してきた人気No.一の女教師の事を思い浮かべた面々は、チラリと視線を交わし合うと力強く頷いた。
「「「「―――死んでよしっ」」」」
次の瞬間、士郎の頭が弾け飛んだ。
「「「……は」」」
勢いの乗った凛のサッカーボールキックを顔面に受ける士郎。ギーシュ達の目には士郎の頭が一瞬消し飛んだように見えた。
ポカンと開いた口から飲みかけのワインが溢れ、ギーシュたちの胸元を赤く染め上げた。
「ど、どうしたんだいきなり」
「一体何が彼女をあそこまで怒らせたんだ」
「隊長は一体彼女に何を言ったんだ?」
サッカーボールキックで再度宙に蹴り上げられた士郎が、今度は凛の手からガトリングのように飛び出るガンドを何十発と喰らい倒れようにも倒れられず壊れたロボットのような動きを見せている。
まさに死のダンスを今まさに踊り続ける士郎を戦々恐々と見つめるギーシュたちの横で、ワインをぐるぐると燻らせていたマリコルヌが野太い笑みを口元に浮かべた。
「ふっ、隊長が“漢”を魅せただけだよ」
「「「は?」」」
マリコルヌは小さく頭を振ると、血の如き紅いワインが注がれた杯を掲げた。
「隊長―――あんたやっぱり“漢”だよ」
だらだらと滝のように汗を流しながら、背筋を駆け上る恐怖を誤魔化すように赤い髪を弄っていたキュルケが、今も続く虐殺から隣に目を逸らす。
「ねえ。あれって本当に大丈夫なの?」
「…………」
「ちょっと、黙らないでくれる。本気で心配になるんだけど」
「―――ぇ? ええっ! だ、大丈夫です」
その言葉とは裏腹に、セイバーらしからぬ焦った様子を見たキュルケが浮かべていた苦笑いは引きつり、もはや笑みと呼べるものでなくなってしまう。
キュルケの顔が急速に歪んでいく様に、セイバーは猛烈に頭を抱えたい衝動に襲われる。
最初は懐かしそうに微笑みながらガンドを連射しながら士郎を追いかける凛を見ていたセイバーだったが、凛が士郎に八極拳を叩き込み始めた頃からその微笑みに罅が入り。ガンドによる死のダンスを士郎が踊らされる頃になると、白い肌から血の気が引きすっかり青ざめていた。
―――シロウ。今のは内容は兎も角潔いとは思いましたが……もう少し言い方というものがあるかと……。
士郎が死のダンスを踊る切っ掛けとなった言葉を思い出し、セイバーは漏れる溜め息を耐え切れず漏らしてしまう。
学院に他に女がいると凛に知ら
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