第一部
第五章 〜再上洛〜
六十四 〜人を想うという事〜
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うにねねも撫でてみた。
「ひゃっ! な、何をするのですか!」
「嫌ならば止めるが」
「べ、別にそう言う訳ではないのですぞ!」
「そうか。ならば、構わんな?」
「し、仕方ないですな。と、特別に許可してあげるのです!」
ふっ、惚けた顔で言っても、何の説得力もないがな。
「むー」
「むぅ……」
「……どういう事ですか、これは」
それから終日、恋は私から離れようとしなかった。
そのまま、宿舎までついてきてしまっていた。
無論、恋に下心があろう筈もなく、ただ単に甘えているだけ。
……が、共に寝るとまで言い出すと、流石に皆が騒ぎ出した。
「恋、如何に歳三殿がお許しになったとは言え……。やはり、それはどうかと」
「……駄目。今日はずっと兄ぃと一緒」
確かに、兄と呼ぶ事は許したが……さりとて、無理に引き剥がす事も出来ぬ。
「良いではないか、一夜ぐらい好きにさせてやれ。皆、度量がないぞ?」
「星! あなたは昨夜歳三様と一緒に過ごしたからそう言えるのでしょう?」
「うー、恋が羨ましいのだ。お兄ちゃん、鈴々も一緒がいいのだ!」
「鈴々! 話をややこしくするでない!」
……今宵は、出立の準備どころではなさそうだ。
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