第二十話
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はいつ? どれくらいまで奥州離れられるの?」
「あまり長くは……政宗様もなるべく早めに帰って来いと申されておりましたし、祝言も戻り次第ということで話が進んでおります」
そっかそっか。皆小十郎が祝言挙げることに協力的なのね。それはますます有難いことだわ。
「なるほどね……でも、とりあえずはその青い顔色を元に戻さないと。
慶次、まつさんに話してしばらく小十郎も泊めて貰えないかな」
事の成り行きを見守っていた慶次は、大丈夫だと思うと返してくれた。
とりあえずこれで小十郎をきっちり休ませられる場所が確保出来た、
そう安心していたんだけど、小十郎が慶次を見て少しばかり不愉快そうな顔をしている。
小十郎? その顔は一体どういうことなのかな?
「……先程から気になっていたのですが、姉上、こちらは?」
「お世話になってるところの甥っ子。町を案内してくれるっていうから案内してもらってたの。その最中に小十郎を見つけてね」
「…………」
何、その沈黙。とどめに更に渋い顔までしちゃって。
「……いかがわしい所には連れて行かれてないでしょうな?」
あー……思うところがやっぱりそこなのね。
心配してくれるのは有難いけど、そのあからさまに不信感持ってます、って顔は止めてよ。
一応これでもお世話になってるわけなんだからさ。
「大丈夫。万が一連れてかれそうになったらぺしゃんこにするから」
「ならば良いのですが」
少しばかり安心したような小十郎とは対照的にに、慶次が少しばかり落ち込んでいる。
「……俺、そんなに信用ない?」
ごめんね、慶次。はっきり言っちゃうとさ、奥州でああいうことがあったばっかりだから警戒心は持っておかないと。
特に初対面で口説く奴とかうっかり信用して変なところ連れ込まれたら洒落にならないし。
それに言ったでしょ? それなりにきちんとした男でないと、弟と政宗様が切り倒しに来るってさ。
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