第十三話
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自分に苛立っていたのだろう。それが分かっているからこそ、葵もなのはも不快な気分にならなかった。心配してくれているのだから。
「すまないね。アリサも分かってはいるんだが。納得出来ないんだろう。」
アリサの父親、ジン・バニングスが謝ってくるが、葵は首を振った。
「逆の立場なら、俺も同じことをしたでしょうね。怒ってなんていませんよ。本当は手伝って貰いたい。でも、一生寝たきりになったり、死んだりするかも知れない事件に一般人を巻き込む訳にはいかないでしょう?もしアリサの命令で使用人がそういう怪我を負ったりしたら、一生悲しむでしょうしね。」
「本来なら、君たちのような子供ではなく、私たち大人がやらなければならないことだ。それを任せきりにしてしまうのも、心苦しいのだが・・・。」
すまなそうに頭を下げてくるジンだが、葵はそれに苦笑しながら答えた。
「適材適所ですよ。たまたま対応出来る力があったってだけです。それに、管理局って所が来れば、今よりずっと楽になります。それまでの辛抱です。・・・あ、くれぐれも他言無用ですよ?政府に話したりすれば、間違いなく研究資料として持っていかれるでしょうし。」
「君と話していると、大人との会話をしているような気分になるよ。」
「アリサやすずか、なのはだって同じですよ。何度子供らしくないって言われたと思ってるんですか。」
「フフ。そうだったね。」
緊迫した空気が霧散し、少しの間、部屋に笑いが続くのだった。
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