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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
ニ十二話 世界最強の少女
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ミッドチルダ南部。湾岸住宅地近くの海岸に、金属同士がぶつかり合うような轟音が響いた。
「おっとぉ!(へえ、こりゃ確かに重い)」
打ち込まれた蹴りを
斧槍
(
ハルバード
)
の柄で受け止めた青年……ライノスティード・ドルクは、口角を上げながら受け止める。
遠間から踏み込んでの蹴りの筈だが、その蹴りには驚くほどの威力が乗っていた。破壊力だけではなく、その蹴りを放つのがアインハルトと丁度同い年の少女だと言うのも、驚きの要因の一つだろう。
まあ、その基準としている少女もなかなかアレなのが有る意味この世界の常識が他とは違う証明になっているかも知れないが。
「ウォーロック!」
[Photon Lancer]
「ッ!」
ライノの言葉一つで、ウォーロックが彼の脇に
光球
(
スフィア
)
を生み出す。撃ち出されるのは雷光の槍。しかしそれがスフィアから射出され始めるよりも早く、少女が動いた。
あろうことか体制を一度引いて立て直すと、即座に突き込むような鋭く早い蹴りで、スフィアを弾き飛ばしたのだ。
「なんとぉ!?」
「やぁっ!」
これにはライノも驚きを隠せず声を上げる。おかげで立て続けに放たれた左の蹴りの回避で体制が崩れる。追撃が来る……
『成程大した反応だな……!』
『そのようですね。来ます』
「(行ける!)空……!」
たたらを踏むように下がったライノのがら空きの防御に向けて蹴りが迫る。苦笑するライノはそれに……
「惜しいな。ミウラちゃん」
「えっ、あぅっ!」
笑いながら対応した。
不意に少女の“後方”から、強烈な衝撃が彼女を襲った。彼女の死角、後方に精製されていたスフィアから、あえて踏み込もうとした所にフォトンランサーが発射されたのだ。当然、蹴りを放とうとしていた体制が強制的に大きく崩されつんのめり、地面に倒れそうになる……のを……
「悪いねぇ、俺年長者だからさ」
[Attraction]
「わぁっ!?」
強引に引き起こされた。
否、“引き寄せられた”のだ。そうとしか思えない、明らかに通常の物理法則とは違う理屈で動いた彼女の身体の胸倉が、突然ライノに掴まれる。
「しまっ……!」
「ちょい卑怯なん、だぁ!」
「かっ……!」
即座に地面から離れた身体が、次の瞬間、ライノの反対側の地面に叩き付けられた。「投げられた」背中からの凄まじい衝撃に息を詰まらせながら、少女は理解する。
理屈は簡単だ。やや離れた位置にいた彼女の身体を、ライノが磁力変換の効果を使って強制的に引き寄せ、掴み、身体強化によって強化された筋力で、片手一本使ってぶん投げたのだ。
離れていても関係なしの、言わば“射程のある投げ技”とでも言おうか。
ライノだからこそ出来る格闘技の一つだった。
『お、起きない……とっ!?』
「甘〜い」
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