SAO編−白百合の刃−
SAO22-黒服再来
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「シリカ?」
「うん、いろいろ会って、友達になったの」
「……なに、自分の名前でも一文字間違っているの?」
「一文字? あ、本当だ、一文字違っている! 私とシリカ!」
能天気に笑うキリカは相変わらず抜けているバカな人だとつくづく思う。今さらそれに気づいて無意味に声上げたりする姿を見て尚更そう思うわ。
でも、それがキリカの良い所ではあるのよね。
話を聞けばその人、シリカという人物はキリカにとって少ない友人らしい。昔、少しの間だけどペアを組み、本来の目的を置きながらも、失った使い魔を蘇生するアイテムを取りに一緒に行動した結果、使い魔は蘇生に成功。ついでに本来の目的も成功したそうだ。
そんな日々を過ごしていたのなら、一文字違いに気づくはずなのに今更とか……ほんと、ボケボケしている。
私、こんなボケボケの人の胸に泣いたのが恥ずかしくなってくる。
「あれ? ドウセツもしかして嫉妬した?」
「するわけないでしょ」
それくらいで妬いたりするような人じゃないわよ。それに、キリカが妬いて欲しそうに微笑で誘っているから抵抗したくもなる。
無性に癪になったのでヘコませようとした時、キリカを庇うように鈴の音色が鳴り響いた。
「あ、来た来た。はーい」
運良くキリカは玄関へ行ってしまった。
……そのシリカと言う人物はどのような人なのかしらね? キリカは私のこと好みとかほざいていたから私似なのか? そうだとしたら空気が重くなりそうね。
とりあえずキリカの後を追ってみると、玄関前には薄い亜麻色の赤い玉のような髪飾りで結んだツインテールの少女と、
「きゅる!」
ペールブルーの綿毛で包んだ、小さな竜が招いて来たようだ。
「わっ、どうしたの、ピナ?!」
滅多に出現しないフェザーリドラをテイミングに成功したビーストテイマーが話題になったけど、もしかしたらシリカという人物がそうなのね。
それで……なんでフェザーリドラが私に飛び込んで胸を擦っているのかしら?
「きゅきゅ〜、きゅー」
「ピナ駄目だよ。こっちにおいで」
「きゅ」
パタパタと羽ばたき、シリカと言う人物である少女の肩に移った。
使い魔って、人の言うことなんて聞かないって聞いたけど、珍しく素直にしつけがなっている……いや、いきなり飛びこんで来たからなってはいないか。
「すみません、ピナが急に飛びついてしまいまして……」
背が小さいツインテールの子が使い魔を抱きつつペコっと謝ってきた。
「別にいいわよ。いきなり使い魔を襲わせるような不埒な人じゃなくて安心したわ」
「あうぅ……」
背が小さいツインテールの子は私の言葉でヘコんでしまった。
どうも私は人に対して傷つけさせること
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