SAO編−白百合の刃−
SAO22-黒服再来
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そう思いながら、『黒椿』でリズベットが作り終えたばかりのカタナを居合いで斬り捨てた。そしていつも通りに『黒椿』は。そのカタナの刀身が真っ二つに斬り落とされた。
「ぎゃああああ――!! もう何度目よ!!」
「九回目」
「冷静に数を報告するな――――!!」
そんなに頭を抱えて、髪をかきながら叫ばなくてもいいじゃない。うるさいだけよ。
張り切っていた割には今のところリズベットが作ったカタナは全戦全敗。良い素材で出来たカタナは、容赦なく妖刀によって相応しくないとバッサリ斬られて、ポリゴンの破片となって消える。
最初のやる気と勢いと裏腹に結果は実ることない。五回目から目を閉じて、カタナを投げるのも少しやけくそになっている反動かもしれない。
……“彼女”だったら、励ましの言葉でも送るのだろうけど、私はそういうことはできないから、いつも通りにするだけ。
「スパンと斬る武器と言うより、スパンと斬られる武器しか作っていないわね」
「うるさい! どうなっているの!? その妖刀! うちの店を潰す気か――!!」
「貴女がちゃんと作らないからでしょ?」
「作っているわよ! いつも以上に、必死に、頑張っているから!」
『黒椿』は妖刀という分類に分けられているが、それもあるせいか、『黒椿』には特殊スキルが存在する。
それは武器破壊。それもただの武器破壊ではなく、条件がちょっと特殊だ。
人の手に触れない武器……簡単に言えば、武器を持っていない時に『黒椿』の妖刀に斬られると簡単に斬り落とされる武器破壊。その特殊を防ぐのも特殊で、黒椿よりも素質がいい武器であれば簡単には斬られないようになっている。逆に言えば、黒椿より素質が下の武器は簡単に斬り落とされる。
そのことを今更ながらもリズベットに教えた。
「と言うことは九回中、九回は黒椿より下の武器を作っていたのね」
「そう言うことよ」
「そういうことはもっと早く言いなさいよ!」
「早かれ遅かれ、知ったところで結果は変わらないわ」
結果が左右されるのは素材になってしまうから、結局早く教えたところで同じ結果になるのは目に見えているものだ。つまり、私が持ってきた高級素材では『黒椿』と同等にならない。
リズベットの腕は問題ない。だから問題は『黒椿』と同等以上のカタナになる素材が……考えられるのは、普通に手に入れられない素材が必要だ。
「ねぇ、これよりいい素材とかないの?」
「あったらとっくに渡しているわよ。叩きすぎて頭がバカになっちゃったんじゃないの?」
「い、言っておくけどね! これでも真面目なのよ!」
「なんの自慢よ」
真面目でもバカな奴は何万もいそうだけどね。リズベットのその一人よ。
それはともかく、これ以上続けたらいろいろと無意味ね。今日の
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