暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンラインーツインズー
SAO編−白百合の刃−
SAO22-黒服再来
[9/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
のなのか? 
 五ミリぐらいは見直すとしよう。

「……よくこんなの手に入れたわね……」
「そうね。それを手に入れたら大量のモンスターに囲まれて襲ってきたけど、私としてはまだ楽なクエストだったわ」
「まだ楽って……あんたどんだけ修羅場括ってんのよ」

 リズベットは呆れていた。私が清ました顔で言うからいけないのかしら?
 私はまだ楽だったけど、『黒椿』入手クエストでは死人が出たことは確かだから、けして危険なクエストではない。それでも、まだ二十五層のボスと五十層のボス、裏五十五層のボスと比べればまだマシだった。
 ……それはともかく。

「『黒椿』と同じくらいのカタナが欲しいけど…………あの程度のカタナはいらないわね」
「あの程度って言うけど、『リズベット武具店』の最高傑作のカタナなのよ!」
「私にとってはあの程度」
「黙らっしゃい! ……い、言っておくけどね、材料さえあれば、そんなカタナなんかスパンって斬り落とすくらい、いくらでも鍛えられるんだからね!」
「なら、今すぐやってもらいましょうか」
「…………は?」

さっきの勢いはどうしたのか、まるで自分の予想外な言葉を聞いて、目が丸くしている。いや実際呆気に取られていた。
 武具店の最高クラスのカタナが『黒椿』を越えられずに、斬られて消滅するくらいのことは想定内だった。“彼女”にあげるプレゼントはいつか必ず役に立つ武器が必要不可欠。故に、『黒椿』と同様のカタナを私は求めていた。
 だから、万が一のことを考えて、私はカタナに必要な素材を集めていた。
 メニューウインドウを開けて、ありったけの高級素材をカウンターに全て取りだした。

「これくらいあるのだから、出来るわよね?」
「あ、あんたね……」
「それとも自信だけしかないの? それは悪かったわ。弁償するからここよりも良い店紹介してくれるとありがたいんだけど?」
「言わせておけば……!」

 ブルブルと震えあがったリズネットは、憤怒の勢い良く素材を手に取り作業に取り掛かった。

「やってやろうじゃないの! あんたのカタナなんか折ってやるわよ! バキバキに、ボキボキにしてやるわ! あんたなんか、大嫌いだ――――!!」
「叩く相手も向く相手も私じゃないの? 武器に言っているの?」
「うるさ――――い!!」

 騒がしいし、よく吠えているものの、やる気が上がって何よりだが…………勢い余って失敗しないでほしいわね。



 気がつけば壮大な空に存在する太陽は沈み、満月が浮かび夜になっていた。

「こ、今後こそ!」

 リズベットは願いを込めるようにカタナを上に投げる。その反動か、目を閉じていた。
 ……ちょっとズレているじゃない。ちゃんとしっかりと目標を定めて投げて欲しいわね。
 
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ