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SAO編−白百合の刃−
SAO22-黒服再来
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響き震わせ、リズベットはビクッと悲鳴を上げる。極めて私は冷静でいられた。衝突によって閃光が放たれ、その一瞬の時をしっかりと捉えることが出来たのだから。
 私はカタナを鞘に収めて、結果を報告した。

「相応しいくは…………ないみたいね、悪いけど」
「えっ? あ、ああ――――!!」

 私の黒刀は、朱色のカタナの刀身を綺麗に斬ることが出来てしまった。

「ま、まただ……黒い服に、頭がおかしい客に、商品を壊すとか、常識外れているとか…………」

 リズベットは結果を受け入れずに、膝を折って項垂れてしまった。またブツブツと呟いているので、そこを指摘しようと口を開いたら、急に立ち上がって抗議してきた。

「なにすんのよ! スパンっと斬るんじゃないわよ! スパンっと!」
「私が求めた武器じゃないわ」
「そんな、あっさり言うな――!!」
「悪い武器ではないけど、相応しくない。それだけの結果よ」

 事実を言うとリズベットからブチッと糸が切れる音がハッキリと耳に届いた。

「そ、その黒刀を見せてくれないかな?」
「捨てたら、訴えてこの店潰すわよ」
「一部の商品を壊したあんたが言うな!」
「故意ではないわ」
「わざとじゃないからって、うちの商品スパッと斬るなぁ――――!!」

 お怒りの店長が何がなんでも、私の黒刀が見たいらしい。でも確かに店の商品を壊した私に非はあるので、素直に黒刀をリズベットに渡した。

「たくもー……って、なにこれ!?」

 誰もが必ず驚くでしょうね。
 だってそれは、世にも珍しいカタナ。

「固有名…………『黒椿(くろつばき)』」

 私が愛用する黒刀『黒椿』
 高難易度のクエストでしか手に入れることができない、黒いカタナを手に入れようとしたプレイヤーは、どれだけ犠牲になったのだろうか。少なくとも確実に死人は出ているはず。
 曰く。
 『黒椿』を手にした人間には、死が訪れる呪いのカタナ。
 故にカタナではなく、

「妖刀……」
「そう。そして、それを受け取った人は…………死ぬ」
「えっ、あ、あたし、受け取っちゃったじゃない! ど、どうすんのよ、呪われたら! 火の車通りこし大火事になるじゃない!」
「なんの話しているのよ……それに冗談だから、別にそんなに驚かなくてもいいわよ」
「え? ほ、ほんと……って、冗談だったら少しはその清ました顔なんとかしなさいよ!」

 なんか顔のことを言われたが、笑えとは言っていないので笑わないことにする。笑えといっても笑わないけど。
 冗談を真に受けたリズベットは一度放してしまった『黒椿』をもう一度調べる仕草をした。別に床に落ちたところで何も支障はないからいいんだけど、武器を落とさずにカウンターに置くのは店主としての意地というも
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