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SAO編−白百合の刃−
SAO22-黒服再来
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まして、多少お高くなってしまうかと思うのですが……」
「それをわかっていて言っているのよ。察しなさいよ」
「貴女のために言っているんですよ! なんで、貴女もキリトも涼しい顔で言えるのですか!」

 オーダー武器の相場は最低でも十万コルを超えるそうだ。そんなことは承知で言わなければ、別の武器を買っている。

「金はあるのだから、用意しなさいよ」
「この……っ!」

 私の態度に気に食わなかったリズベットはぶつぶつと呟き始めた。
 
「良いところなんてないじゃない……なんであんな失礼極まりない人がアスナの友達なのよ。しかも、キリトと同じように言ってくるし、なに? 双子なの? それなら納得するわね……」

 全部聞こえていた。
 そっと黙ってスルーするのもいいと思ったが、考え直して間違いを指摘することにした。

「向こうが勝手に友達も良いところも言っているだけよ。キリトと言う男とは関係ない。それに私は、姉も兄もいないわよ」
「聞こえていたの!?」
「聞こえていたわよ。そういうことは、心の中で自分に話しかけたほうがいいわよ。それが出来ないからぶつぶつと口に漏れたのよね。失礼」
「むっきー!!」

 彼女は鼻息が豪快に吹くように怒り、不機嫌丸出しで奥の壁に掛けてあるカタナを外す。そしてそれを雑に渡してきた。

「これがうちにある最高のカタナよ! どうよ!」

 強引に刀を受け取られた私は、虎の模様を描いた朱色の鞘から抜き出し、刀身を見つめる。同色の革装、刀身は薄い朱色に輝いている。例えるなら、日照りの刃。前向きをカタナに込めて戦う意思を表しているかもしれない。
 私には、相性合わないわね。

「……けっこう重いのね」
「使った金属がパワー系だからね」
「そう」

 軽く振ってみるが、私としてはもう少し重さを減らせば丁度良いかもしれない。私は速さと重さの適度を持った物が好むところだが、私が買うわけでもないので問題ない。私ではなく、“彼女”だったら使いこなせるかもしれない。
 ビルド構成はステータスを見ていないが、少なくとも耐久を重視した構成にはしていないはずだ。
 後は……試すだけね。
 私は一度カタナをリズベットに返す。

「な、なに?
「そのカタナを私の頭上に投げてちょうだい。試すから」
「え、は? 試す?」
「相応しいかどうかよ」

 リズベットは頭が混乱しているのか、口を開けながら黙ってしまった。

「……いや、なんでよ?」
「いいからして、お願い」

 渋々了知したリズベットは、朱色のカタナを山なりのように投げる。
 頭上に浮くカタナに、『居合い』と言う鞘を収めたカタナを一気に抜き放ち、一閃。
 カタナとカタナが衝突する。

「きゃっ」

 衝撃音が店内を
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