SAO編−白百合の刃−
SAO22-黒服再来
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はようやく私が勘違いしている相手だと気づく。それでも誤魔化し切れると思ったのか、リズベットは周囲を見渡し始める。
生憎、店内は私と店主であるリズベットの二人しかいない。
ようやく自分の失態に気づいたリズベットは赤面に変化しつつ、私に謝罪をした。
「ご、ごめんなさい! 黒い服だと思って勘違いしていました!」
勘違いの程にもあった。何故なら、私はキリトと言う『黒の剣士』を知っているからだ。知っている人物だけあって、彼と比べるのは不服だ。
「けっこうショックなのよ」
「ごめんなさい」
「だからタダでよろしく」
「た、タダでですか?」
「何よ、女が男と間違われるのは傷つくわよ」
「それは……って、なんでキリトが男子だって知っているの?」
「アスナから愚痴られているから」
「今、アスナって……あ、ああ――――!」
リズベットはカミナリが落ちたかのようにショックが落ちてきては、人の顔を見て思い出したように指を指す。そして強めの口調で言葉が店内を響かせた。
「あんた『漆黒』のドウセツね! 噂でもいろいろと聞いているし、アスナからいろいろと聞いたことあるわよ!」
「それなら自己紹介の手間が省けるね」
「そういうところがアスナを悩ませているのがわかっていないの!? アスナはね、貴女の行動が自由すぎて悩んでいるのよ! 少しは慎もうとは思わないの!?」
「別に私は貴女になにかしら不満を持たれるようなことはしたかしら?」
「アスナの友達として変わりに言っているの!」
そんなのリズベットが勝手に言っているだけじゃない。アスナもアスナで余計なことを言わなくてもいいじゃない。でも、リズベットの怒り具合を見ていると、相当私のことで愚痴っているかもしれないわね。改善する気なんてさらさらないけど。
「そんで、『漆黒』のドウセツさんは、なにしき来たのよ!」
人の名前を嫌味っぽく口にするリズベット。明らかにケンカを売っている。
「私はアスナからの紹介でこの店にある武器を買いに来たのよ。なに、当たり前のこと聞いちゃっているの?」
「この……っ!」
リズベットは正論を突きつけられて、イラっとした様子だけど、拳をギュッと握って耐え抜き、
「いらっしゃいませ。どんな武器をお探しですか?」
営業スマイルで、店主として客である私に挨拶をした。
ただ、右眉毛が上下にピクピク動いているのを見ると、無理に笑顔を作っている。我慢ならないなら作らなくてもいいわよ……。
さてと、無駄な時間を使ってしまったわね。さっさと買って帰るとしましょう。
「武器はカタナ。オーダーメイドでこの店の中で一番強いものね」
特集素材を用いたオーダー武器を注文する。
「今ちょっと金属の相場が上がってい
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