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SAO編−白百合の刃−
SAO22-黒服再来
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「美味そうだな、さっそく食おうぜ」
「キリト君そう急かさないの!」

 予想通りに、シリカの“あれ”食べ物だった。それに早速釣られる、キリトだった。そして文句を言いつつもみんなに切り分けるアスナだった。

「ところでドウセツ」

 ところでなんだろうか? リズベットがいつもの調子で話かけてくる。

「“あれ”は渡したの?」
「あぁ……“あれ”ね」

 リズベットがいう、“あれ”という言葉がすぐに浮かんできて理解した。それを素直にリズベットに伝えるかどうかは、考えどころだけど……。

「で、どうなのよ! 渡せたの!?」
「渡したわよ」

 いや、別に隠すことではないわね。けして迫ってくるリズベットがうざかったから何も考えなしには言っていない。

「そっか、渡せたのね……」

 リズベットは一息吐き、一安心する。
 なんでリズベットが安心するのかしらね。別になんもドラマティックな展開なんてないし、感動的もなく、さり気なく渡しただけなんだけどね。
 向こうがカタナを失ったから貸してくれないという流れで渡したってリズベットに教えたらどんな顔をするのかしらね。



 それは九月のある日のこと、私はとある“借り”を返すために、プレゼントを渡そうと考えた。
 私には女子が喜びそうな物とかよくわからないから、この世界で必要な武器を渡そうと考えた。
 それを仕方なくアスナに相談して、武具店を紹介されたのが……。

「ここね……」

 四十八層主街区『リンダース』にある武具店だった。
 アスナが紹介した店の名前は『リズベット武具店』水車はあるけど思っていたよりも普通の店が印象だった。アスナの友達だから……きっとお人好しで馬鹿っぽい人が経営してそうね。
 …………。 

「……なんか、最近お人好しの人しか喋ってないような気がする」

 嘆息。
 私は手っ取り早く終わらしたいので『リズベット武具店』に入った。
 アスナからリズベットの特徴は聞いている。ピンクの髪にダークブルーの大きめな瞳で人形みたいな人だと。
 その人物は見つかった。
 見つかったのだが、リズベットという人は大きな揺り椅子で寝ていた。

「…………お客様が来たのに寝ているとか、店として失格ね」

 いつものように、相手の気づかい関係なく思ったことを素直に吐いた。
 このまま寝ていても困るので、私はリズベットを起こした。

「起きなさい、リズ」
「はっ、ご、ごめん、キリト!!」
「……は?」

 リズ、ベット……そう言い終わらないうちに、リズベットはバネのように跳ね飛び上がり、大声で私のことを誰かと勘違いしていた。

「キリ……ト……?」
「違うわよ」
「……えっ?」

 寝ぼけているリズベット
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