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SAO編−白百合の刃−
SAO22-黒服再来
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猛吹雪が吹くことだってある。それも吹く条件はランダムで、予測するとしたら、快晴の天気が曇り出した時が一番わかりやすい。

「当時どうやって攻略出来たの?」
「幸いなことに、猛吹雪は吹く時間が長いこともあれば短いこともあるんだって。一時期全滅する可能性があったけど、猛吹雪が短いから全員クリスタルで街に脱出できたんだって。そして裏層攻略するプレイヤーは猛吹雪を警戒しながら、洞穴の安全エリアで猛吹雪を凌いで、晴れた隙にボスモンスターを倒して攻略出来たんだって」
「そうなんだ……運がなかったら、五層分やり直していたかもしれなかったわね」
「そうね……」

 失敗しなくて良かったとアスナとリズベットは一息つき、胸を撫で下ろした。初見殺しにはピッタリだったけど、それさえ越えればなんとかなるものだ。対策もできるのだから。
 それだったら何故、未だにクエストは誰も達成していない? 『デットマウンテン』の攻略の仕方はすでに情報は出回っている。猛吹雪の対処もできるはずだ。更に言えば、対策できていれば簡単なものではないのか?
 ……猛吹雪とは関係ない、そのクエストに躊躇いができるような条件が原因なのか?

「……ともかく、危険度が高いなら、それをやる必要がある素材なのね」
「えっ、ドウセツやるつもりなの?」
「当然」

 いちいち危険だからって、行かないという選択肢はない。常に危険な状況で戦ってきたんだから、今さら危険という言葉に怖気づいて引くわけにはいかないわ。

「じゃあ、私も行く!」
「あたしも!」
「嫌」
「「なんで!!」」

 そんな双子みたいにハモらないで欲しいんだけど、第一なんでついて行く必要があるのかしら?

「ドウセツは私の実力知っているでしょ?」
「アスナは単に、一緒にいると面倒くさい」

 こんな私にかまってくる人なんか、貴女ぐらいしかいないわよ。前までは攻略マシーンのようにうるさかったくせに。

「リズベットは足でまといだからよ」
「馬鹿しないでよ! これでもね、マスターメイサーだからね!」
「あっそう」
「素っ気なく返すなー!」

 少なくとも前線に出てないからアスナより下なのは確かだ。もし、この三人で組むとすれば貴女が一番弱い。攻略組でもないプレイヤーがいるだけで、私にとっては足でまといになること十分。それにリズベットが死んだら、誰がカタナを作るのよ。
 なんて言ったところで、リズベットは引くような人じゃなさそう。むしろ煽られてやる気を出す変態タイプ。それよりもアスナを何とかしないと……かなりしつこいから最近。

「だいたい、アスナはギルドに入っているんでしょ? 寄り道しないでもらいたいんだけど?」
「大丈夫。イリーナさんに頼めばなんとかなる。それに寄り道じゃないわよ」


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