SAO編−白百合の刃−
SAO22-黒服再来
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ところは弁償して、家に帰ろう。そして、情報屋から『黒椿』と同等以上のカタナに仕上がる素材を訊くとしよう。
「リズー! 今からどっか食べに行かない?」
そう思っていたら、お節介で愚痴ってくる栗色の少女が来客してきた。
リズベットのその少女に気づき、勢い良く近寄って抱きしめていた。
「ア、アスナ――――!!」
「うわっ! きゅ、急に抱きついてどうしたの? それにドウセツも……」
アスナの胸に寄りそうリズベットは涙目ながらもギロっと私の方へ睨んだ。
「あの冷却で暴虐の客が、あたしの作ったカタナをスパンスパンって斬るんだよー」
「そうなの?」
なに、急に涙目でアスナに助けてもらおうとするのよ。私は好きで斬っているわけじゃないのよ?
「私だって困っているのよ。この日のために素材を集めたのに、貴女が全部斬られるカタナを作るから台無しよ」
「その妖刀が異常なのよ! そしてそれ以上にあんたが異常よ」
「人のこと異常扱いしないでもらえる? 傷つくんだけど」
「あたしの方が傷ついているわよ!」
「えっ、えっと……話聞かせてもらえる?」
●
あることないこと、リズベットは一通りの出来事をアスナに話した。
「ねぇ、アスナ。なんでこんな奴が友達なのよ……」
リズベットは揺り椅子にもたれながら、力なく発する。彼女からしてみれば、私とアスナの関係に不満を持っているようだ。別にいいけど、それでも。
「ドウセツは不器用で優しいよ」
「嘘だ! 全部に嘘、悪意の塊でしかないわよ!」
「カタナが斬られるのは私ではなくて、黒椿よ。文句なら黒椿に言って」
「そう言うところが悪意の塊だって言っていんの!」
「リズ、落ちついて。ドウセツも挑発しないの」
アスナの余計なお世話で一旦場は静まった。それはけして空気が悪い意味とは繋がらない。
これ以上、リズベットにかまっていると、なにしに来たかわからなくなってしまうわね。弁償する前と帰る前に、アスナから情報を訊き出そう。なにか知っているかもしれないわ。
「アスナ、リズベットから一通り話しているから省くけど、なにか情報ないかしら? それも滅多に手に入らない素材アイテム。『黒椿』と同等以上のカタナを仕上げることができるもので」
「…………そうね……」
人間ってどうして、思い出す時に顔を肩に寄るように曲げて、手で顎を抑えるのかしらね? どうでもいいか。そんな疑問は即座に捨ててから、時間は数秒と言ったところで、アスナはなにかを思い出したようで、リズベットにも聞こえるように話始めた。
「前にイリーナさんがね、教えてくれたんだけど……」
イリーナさんか。最近は会ってないけど、あの人は今でも部下の育成を専念しているのかしらね。どう
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