第十四話
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
◆2010‐05‐12T20:00:00 “Nagi’s Room”
テンと別れた後、俺は自室のベッドの上でDフォンを開いたりいじったりしていた。理由は特になく、『まだ使い方よく分かってないなー』なんて思ったからいじってるだけなんだけど。
で、結論は。
「さっぱりわかんねー」
普段から取扱説明書は読まない俺なんだけど、Dフォンについてはぜひ取扱説明書がほしい。普通の携帯でできることは一通りできるっぽいし、その辺りのやり方は分かったんだけど、Dフォンでならできる、というようなものがなんなのか、全く分からないからだ。まだコードの読み取りくらいしか分からないぞ、俺。
ラインちゃんに言ったら取扱説明書をくれたりしないだろうか?テンに聞いても、『主人公のロアのDフォン特有のものもあると思う』って言われたし、誰かに聞くこともできない。
「今度、長いことロアやってるっぽい絵さんに聞いてみようかな」
そんな結論に至った時、階段を上ってくる音が聞こえたので俺はDフォンをカバンに突っ込んで、普通の携帯を手にする。すると、
「なーぎくんっ、ごっはんっだよ〜」
とっても楽しそうな様子で、笑顔な姉さんが部屋に入ってきた。エプロンをつけてお玉を片手にという、まあ何ともらしい様子。こんな光景リアルで見ることはないと中学時代は話していたものだが、あるみたいだぞ、友たちよ。しかもこの人、たぶん意識してやったわけじゃない。ついでに違和感もない。
「ん?なになに〜?誰かとお電話だったりした?お姉ちゃん邪魔しちゃった?」
「電話じゃなくて、メールだったりネットだったりだから大丈夫」
「そっか。ならよかった♪」
姉さんはそう言いながらとてとてと歩いてきて、ベッドに腰掛けている俺のすぐ隣に座る。男の部屋、ベッドの上、腕が当たるくらい近い、という要素が詰まっていてちょっとドキドキしてるんだけど、たぶんこれ俺だけだよなぁ。でも仕方ないよな、胸とかも当たってるんだから。
「それでそれで?なぎくんは何を調べてたの?」
「んー、ちょっと民俗学っぽいこと?」
「民俗学?」
「うん、民俗学。といっても、分類的にはそれになるってだけで、ちゃんと民俗学してるわけじゃないんだけど」
そう言いながら俺は、姉さんに携帯の画面を見せる。そこには、Dフォンをいじる直前まで調べていた怪談系の都市伝説がまとめられているページが開かれている。
読んでて思ったこととしては、どれもこれもなかなかに怖い。絶対にこんな体験したくないなぁなんて考えながら読んでたんだけど、途中でテンの件とか、これからもあるんだろうなぁとかいう考えに至った瞬間に見る気が失せてしまったのだ。
縁ができたらその目に会う、って言われたし、これが縁になってそのロアに会
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ