第十四話
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悪かった。風呂上りのところを呼び出しちゃったとか、うん……俺にとってはタイミングが良かったなぁ。
「ハァ……もういいわ」
「な、何がでしょうか?」
一瞬、心が読まれてしまったのではないかとあわてる。いやまさか、それはないか。
「この状況よ。どうせどうにもならないんだし、帰れるようになるまで待つわ」
「うん?普通に戻れるのか?」
「たぶん、ね。こういうのは大抵呼び出した本人が意識を失えば戻れるものだし、そうじゃなくても朝になれば戻れるでしょ」
うん、全く理屈は分からないがそういうものらしい。なら、そういうものなのだろう。
「そういうわけなんだけど、あんた今眠い?」
「そうでもなかったところにテンが登場して、眠気はどこかに飛んでいったかな」
「そう……なら、眠くなるまでちょっと話しましょ。ペストについても話しておきたいし。ほら、さっさとベッドに横になる」
話すのはいいんだけど……横になる?
「なんで横になるんだ?」
「さっさと眠くなってほしいからよ。横になってれば、少しは眠くなるのも早まるでしょ」
なるほど、道理である。女の子の前で一人ベッドに入ってるとかどうなんだとは思うけど、まあ緊急事態なので仕方ない。そう思うことで納得しよう。
「そういや、もし俺が寝てもテンが帰れなかった場合ってどうなるんだ?」
「うーん、そうね……こういうのは完全に意識がなくなれば戻れるものだし、多分大丈夫だと思うわよ。あんたがしっかり熟睡してくれれば」
そういうことなら、そうだと信じよう。
「もしダメだったら、遠慮なく起こしてくれていいからな。俺は床で寝るから」
「あー、ハイハイ了解。分かりました」
もうほとんど投げやりな言い方だけど、気にしないことにする。どうせ気にしたってどうにもならないんだろうし。
そんなことを考えながら俺はテンが降りるのを待って、ベッドに横になる。枕に頭を載せて、テンの方を向いて。
「それで、何を話すんだ?ペストの魔女については多少は聞いたと思うんだけど」
「多少聞いただけで、まだちゃんと説明できてないもの。言ったのだって、放置しておいたら破滅を招きそう、ってくらいでしょ?」
「それだけ分かってれば十分な気もするけどな」
とりあえず、超危険だということはあれでよく分かった。効果範囲が広すぎるし、そう言う噂は十分にありそうだし。
「でも、それ以外で何ができるのかは説明まだでしょ?」
「そう言えばまだ聞いてなかったな。……ペストっていう病気に関わる魔女なんだし、そういう系統なのか?」
「よく聞くのはそれね。一気に滅ぼす以外でも、小さな範囲で出来たりもするって。それこそ、特定の人物に発病させるとか」
発覚したら大事になりそうだな、
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