第十四話
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着ているジャージの上を脱いで後ろ手に渡す。一瞬ワイシャツをとって渡すって手も考えたんだけど、そんな姿を見て普通にしていられる自信もないので自分の中で却下した。
「着たわよ」
「はいよ」
テンからの返事を聞いてから俺はベッドを下り、タンスをあけてスウェットを取り出す。さて、普通に手渡すのは……うん、ぜひ今のテンを見たいし、こっちでいこう。
「ほらテン、これでいいか?」
「そうね、それで……って、コッチ見んな!」
テンの方を見て投げ渡したら、枕が顔面に返ってきた。しかし、その直前に見えたあれは、うん……いいものだった。
本人の言うとおり風呂上りらしいその肌は軽く赤らんでいた。そして、その体を隠しているのは一枚のジャージのみ。サイズの違いによって軽く隠された手と、ジャージから真っすぐ伸びる細い足。大事なところはジャージで隠されていたけど、それでもとても興奮してしまう光景だった。おそらく、一生忘れることはないだろう。
「……ミカ、あんたよっぽど死にたいの?」
「申し訳ありませんでした」
「……はぁ」
頭を下げた。もう一刻の猶予もないと思ったから、テンが言い終わる前に思いっきり。
そうしている間に布がこすれる音がしているので、おそらく今ズボンをはいているのだろう。つまり、今顔をあげたら本当に殺される。このままの体勢を許可が出るまで維持。
「……さて、一個質問。あんたどうやってあたしを呼び出したの?」
「いや、どうというか……Dフォンの中に保存されてた写真を読み取ったら、今に至る感じなんだけど」
「ふぅん……主人公のDフォン特有の力なのかしら?」
「というと?」
「物語にしたロアを呼び出せる、とか」
あー、それでテンが呼び出されたわけなのか。テンの方も確信があるわけじゃないみたいだけど、まあお互いに分からない以上考えても仕方ないのかな。本当に分からないことだらけだ。
「つまり、ここで鈴ちゃんのコードを読み取ったらここに呼び出されるのか?」
「たぶん、ね。あの子って場所指定型のロアだから、百パーセント確実とは言えないんだけど」
言われてみるとその通りだ。テンもロアの姿で呼び出されたわけだし、鈴ちゃんも呼び出されるならロア状態のはず。だがしかし、場所指定のロアである以上ロアとして現れるならあの場所以外にあるのだろうか?ふむ、謎だ。謎なんだけど……
「今呼び出すのは、まずいかな?」
「マズイでしょうね。もう寝てるかもしれないし、こんな夜中に急に呼び出された側としては」
「その件に関しては本当に申し訳ありませんでした」
「あたしたちの意思と関係なく呼び出されるあたり、本当にたちが悪いわよねー」
いやもうほんと、その辺りについては申し訳ない。しかも今回はタイミングが
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