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寄生捕喰者とツインテール
告げられるは詳細
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開き、物悲しげな笑みを浮かべる様に総二は心が痛んだ。

 トゥアールがそう仕組んでしまい、そうならざるを経ない状況下で、しかもテイルレッドの時は何故だか本人の望まない悲鳴を上げてしまう事もあり、ある意味仕方なかったかもしれない。

 だが理由がどうあれ騙しているのが事実で、しかも度々物理的な急接近もあったのだから、申し訳なさでいっぱいにもなる。


 何時の間に終わったかそこに立っていた、妙に曇りが取れた顔の愛香と、曇りは無いがボコボコニなっているトゥアールも、申し訳なさで一杯な表情を見せた。



「ごめんそーじ……アタシがもっと踏ん張ってれば、こんな事には……」
「いえ、私にも責任があります。気絶程度で変身が解けるなど、危険にも程がある設計にしてしまって……」
「いいよ、二人とも」


 総二がもういいと言った理由は、何も彼等に負担を掛けない為だけでは無かった。

 少しばかり捉える位置を変えると、これではまるで姿を見てしまった会長が悪いかのような空気となってしまう。
 それを避けねばと総二は謝りの言葉を深くは受け止めた上で、しかしその場は流すことにしたのだ。


 しかし……会長の口から出てきた言葉は、思いもよらぬものだった。


「いいえ、違いますわ」
「違う?」
「気の所為か、と言うぐらいに希薄な疑問でしたけども……私、もしかしたら観束君がテイルレッドではないかと、そう思っていましたの」
「「「え、ええっ!?」」」


 完ぺきに見破っているか、疑問に思っているかと言う違いこそあれども、まさかのグラトニーに続く露見前に見切った第二者が居たとは、総二達も驚きを隠せない。

 部室で会長にのみテイルブレスが見えたのも、朧気に観束総二とテイルレッドを結び付けていたからかもしれない。
 テイルブレスに付いている認識阻害効果は、僅かでも元の人物と結びつけてしまうとその途端切れてしまい、見た目や所作が似通っていれば一発でばれる可能性をはらむものである為、即ちブレスが見えたのは故障では無かったのだ。

 総二と愛香が、大口を上げてパクパクさせる様には構わず、部長は続ける。


「テイルレッドのあの腕に抱かれるたびに……何故かは解りません。けれども確かに、確かに1人の殿方の事思い浮かべていましたの。ツインテールが大好きで、その思いに愚直な程まっすぐな……1人の男の子の事を」
「トゥアールちゃん? 首尾はどうかしら?」
「上々でございますお母様。バッチリ録音完了、最高音質にて残しております」
「では、アーカイブに登録するとしましょう。キッチリとね」


 シリアスを隠れ蓑に何やらトゥアールと未春が悪だくみをしているが、総二は極力見なかった事聞かなかった事として、会長に目を向け続
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