告げられるは詳細
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く。
誤魔化し切れたと判断して一応用意していたポジティブシンキング準備は取りやめ、せめて気が付かない様に、機嫌を害していませんようにと祈りつつ、何時の間にやら数メートル地点までさしかかっていた実家であり喫茶店である『アドレシェンツァ』を指差した。
「此処が実家であり、基地の入り口でもある場所です」
「アドレシェンツァ? というと、意味は何だったか?」
「それは―――」
「ああ思い出した。確かイタリア語で思春期だったか……言っては何だが、奇妙な店だな」
「うっ」
全く喫茶店とは関係の無いどころか、そもそも喫茶店とは縁遠そうな単語ではあるが、だからといっていきなり自分の親の経営する店を変だの奇妙だの呼ばわれれば、普通文句の一つでも言い返す所だ。
……が、彼の母親のあの性格と趣味の為、それに明確に反論できず総二は口ごもる。
またも謎の一つを増やしながら、総二は喫茶店のドアを開ける。
「ただいまー……」
「あら、総二お帰りな―――あら? あらあら」
彼に背負われている愛香に、後ろにいる桜川教員と更に背負われている会長。
中々に難解な状況ではあるが、《アレ》な総二の母親・未春は目を伏せ意味深な笑いを浮かべる。
彼女は差し詰め、総二の説明を受ける前に理解していた、といった方がいい雰囲気を醸し出している。
「ふふっ……へぇ、なるほど? そう言う事なのね……」
「なっ!? 母さん言わなくても分かったのか!?」
「ううん、ちょっとカオスに傾いてて思考が追いついてない部分があるわ」
「ならなんで分かった風を装うんだよ!?」
訂正、理解など出来ていなかった模様である。
いい加減そうやって知ったかを中二病風味で披露するのは止めてくれと、暖簾に腕押しだろうがそれでも言わずにいられず、総二は口がすっぱくなるほど言ってきた事を、再度口にしクドクド諭す。
次いでどのような状況があって愛香を背負う事になったか、会長と桜川教員が付いてきているのかを説明し、こういった事態には慣れっこなのか未春はすぐに呑み込んで納得した。
ポカンとなっている桜川教員に心の中で謝りながら、総二は『アドレシェンツァ』カウンター奥の大型冷蔵庫に歩み寄り、ボタンを押すと摩訶不思議、いきなり秘密基地へのエレベーターとなっていたことが露見し、桜川教員は再び驚愕する。
「こ、ここまでとは……!」
「ふふふ、驚くのも無理ないわ。部外者がここに立ち入るのは初めてですもの」
総二にじーっと見られている辺り、彼に「あんたも一応部外者の類だろうが」と思われているのは想像するに難くなく、ダガどうにもならないのか溜息を吐く。
流石にものの
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