告げられるは詳細
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性もある。
そして混乱が広まりバランスが崩れれば、アルティメギルにとって最大の好機を作ってしまう事に他ならない。
「想像か付くからこそ、だからこそ守ろう。―――そして結婚も付けてくれるならなお良しだ!」
「つけません」
「…………な〜に、冗談さ。この婚姻届に誓おう」
「間がありましたよね? 冗談じゃないですよね? 絶対」
しかし問題はもう一つ、いやもう一人いる。
先程から大人し過ぎる程にずーっと沈黙したまま立ち続けている、そもそも何時来たかも分からないグラトニーだ。
どちらも口を開かずにまたも沈黙が走る――――が、答えを出す前に彼女は顔を虚空へと向け目を細め、彼女の周りの空気が歪んだかと思うと、スーッと幻の様に瞬きする間に消えてしまった。
「へ?」
それこそ、先程までそこに居たのは気の所為かとでも言う様に、物理的な気配も……(常識的に)余り言いたくは無いがツインテールの気配も、綺麗さっぱり消え去ってしまっている。
何が起こったのか総二も、後方の桜川教員も理解できず、結局訳の分からぬまま当初より予定していた説明を行うべく、歩を進めざるを得ないのだった。
そして恐らくは―――――
「……尾行する?」
『アア、用事があるかラナ。タイミング見計らエヨ』
「……ん」
後ろに微かに残る空気の“揺らぎ” と、“二つの声” には、気が付いていないのだろう。
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喫茶『アドレシェンツァ』への道を、正義のヒロイン・テイルレッドこと観束総二はテイルブルーこと津辺愛香をおんぶして歩いていた。
先の戦いで思わぬ弱点が発覚した挙句、敵の悪足掻きでとうとう耐えきれず気絶してしまった為、仕方無く総二が彼女を背負っているのである。
その後ろには生徒会長が桜川教員に同じように背負われ総二の後を付いて行く。
すると、不意に彼等の視線が後ろを向いた。
「ん……う〜ん……むぅ」
「如何したのだ観束? さっきから後ろを見て」
「いや別に……何でもないですけども……」
「? そうか」
総二も総二で、普段はあまり見ない桜川教員のツインテールが気になる様で、耐えきれないか先程から何度も何度も、桜川教員から疑問に思われるぐらいの頻度でチラチラみている。
それを言えば「ならばいつでも見られる様にしてやろう」と婚姻届が飛んでくる可能性を考え、総二は誤魔化せるかどうかは考えず咄嗟に嘘をついた。
不審に思われたのは仕方ないが、それでも桜川教員はこの場では納得する事に決めたらしく、それ以上は追及せず黙って総二の後について行
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