第一部
第五章 〜再上洛〜
六十一 〜魑魅魍魎〜
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父上。如何致せば良い?」
「はっ、土方の申す通りかと。それにこの者は武人、欲得で動くと見られるのを嫌います」
ふう、と陛下は息を吐く。
「わかった。では土方、今日限りの詔とする。良いな?」
「ははっ!」
不遜と言われようが、これが私の生き様だ。
だが、全ては徒労に終わった。
「病だと?」
「はい。今は何方も、お会いさせる訳には参りませぬ」
何太后の部屋の手前で、そう言って医師に行く手を遮られた。
「ならば見舞うまでだ」
「いいえ、いくら何進様でもそれはなりませぬ。……どうやら、流行病のようでして」
「ううむ……。して、容態は?」
「それもまだ何とも申し上げられませぬ。今日のところは、お引き取り下さいませ」
毅然としたその態度には、何進も引き下がるしかなかった。
「……仕方あるまい。屋敷に戻るか」
「……は」
外に出ると、空一面、怪しげな雲に覆われていた。
不吉の前兆でなければ良いのだが……どうも、嫌な予感しかせぬ。
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