第一部 破滅からの救済者
無印編 駆け出し魔法少女と群青の巨人
青い光
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「ユーノ君、今の!」
「間違いない、ジュエルシードが暴走したんだ!」
ただちになのははユーノを肩に乗せ、街へ走り出した。
一方で高町家のリビング。なのはの兄恭也と姉の美由紀は、テレビの中継ニュースで海鳴市に起こった異変を見ていた。
まるで映画でしか見られない光景だった。地面から植物が発生し街を覆い尽くしていく。
「なにこれ…CGじゃないの!?」
美由紀が目を丸くする。
植物が地面から這い出て街を侵食していく中、街の真ん中の地面から巨大な塔のようなものが飛び出してきた。
「…深…緑?」
思わず恭也が口を開いた。
「え?」
「いや、あの妙な塔に刻まれた絵が、書道の篆書体に似てる気がして…」
恭也の言う通り、確かに塔のようなものの表面に緑色で塗られた文字のような絵が描かれていた。
その塔は、塔ではなかった。なのはたちのいるこの別世界とは別の世界でも同じ混乱をもたらした巨大な機械。
その名は、『自然コントロールマシン・シンリョク』。
シンリョクを、あの青年も見ていた。
「くそ…俺のせいで奴らまでこの世界に紛れたか…」
ふと、彼は何かを感じ取ってシンリョクとは別の方向に視線を向けた。ビルの屋上に立っている少女が、不思議な桃色の光な身を包んでいる。
「なの…は…か?」
その青年は、どういうわけかなのはの名前を呟いていた。
「酷い…」
ビルの屋上から街の有り様を見たなのはとユーノ。大惨事としか言いようがなかった。あちこち植物だらけだ。
「人間が発動させたのか?強い願いに反応した時、ジュエルシードは最も強い力を発揮するから」
「探してみるね。レイジングハート、お願い!」
『All right.Stand by Ready.Barrierjaket Set up』
レイジングハートがなのはの命令に応じ、彼女は桃色の光に身を包むと、彼女の服が解け、新たに白い布地に青いライン、胸に結びつけられた赤いリボンの服装になる。
魔導師の戦闘服『バリアジャケット』である。バリアジャケットは装備者のイメージに合わせてできている。彼女の場合、通っている小学校の制服をイメージしてある。最後に手のひらにちょうど乗るほどのサイズの赤い宝珠が付いた杖を手に取り、彼女の変身は完了した。
「リリカルマジカル…災厄の根源を探して!」
ビルの床の上に杖―レイジングハートを向けると、桃色の光の魔法陣が展開される。目を閉じ、なのははレイジングハートの先を街のあらゆる方向へ向けながら、魔力を頼りにジュエルシードを探っていく。
そして、彼女は見つけた。シンリョクの内部の中枢部の部屋に、ジュエルシードが埋め込まれているのを。
「あの中にジュエルシードが!」
「まさか、人じゃなくて機械の願いがジュエルシード
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