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とある3人のデート・ア・ライブ
第七章 歌姫
第2話 ディーヴァ
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はなかったんだがーー」

言葉の途中で、インカムの先からビーッ!ビーッ!という警告音が響き渡った。

琴里『こ、これは……好感度、機嫌、精神状態ーーあらゆるパラメーターが急下落しているわ!士道、あんた何かしたの!?』

士道「な、何もしてねぇよ!」

そして、その刹那。






《わッ!!!》






少女が凄まじい声を出したと思うと、自分の身体はステージに叩きつかれ、舞台から落ちる寸前でステージの縁にしがみつく。

士道「ひ、ひぇ……」

下をチラッと見ると案外存外高く、落ちれば複雑骨折は免れないだろう。

そして、彼女は士道の目の前までくると女神のように穏やかな笑みを浮かべて、言った。

「え?何で落ちないんですがぁ?何でしがみついてるんですかぁ?何で死なないんですかぁ?可及的速やかにこのステージからこの世界からこの確率時空から消え去ってくださいよぉ」

士道「……へ?」

こちらから見える彼女の表情とは裏腹に、士道に言ってきたのは他の何でもない罵倒だった。

士道がもう一度聞こうとした時、

佐天「しどーさーん!大丈夫ですかー?」

下方から、一緒にここまで来た佐天の声が聞こえた。

士道「い、一応だいーー」

だが。

彼女の言葉に反応したのは士道だけではなかった。

「あらぁ?今の可愛らしい声は誰ですかぁ?恥ずかしがらないで出てきてくださいよぉ」

歌姫が周りを探すように見渡しながら声を上げた。

先ほどの穏やかな笑みとほぼ変わらないような気がするが、今の方がどこか自然で、本当に心の底からの笑顔のような気がした。

佐天「えっと……」

琴里『……涙子、ステージの上に上がってちょうだい。これはもしかしたら……』

佐天はインカムから聞こえる琴里の指示に従い、能力を使ってふわっと舞台の上に降り立つ。

顔をこちらに向けた歌姫は佐天のことを一瞬凝視すると、すぐにパッと表情に輝きが増して、佐天の手を取った。

「あなた、お名前は何て言うんですかぁ?」

佐天「え……佐天、涙子ですけど……」

美九「わぁ!いいお名前ですねぇ!私は『誘宵美九』。これからよろしくお願いしますね、涙子さん」

士道「(あの人が……殿町が言っていた……)」

佐天「え?あ、はい……よろしく、お願いします……?」

クラスメイトの言葉を思い出している士道と美九の突然のアタックに困惑している佐天だった。



明らかに。

士道と佐天の時で態度が違う。

美九「涙子さん、私の歌声聞きませんかぁ?」

佐天「……さっき聞いたような……」

目線を合わせられない。

否、合わせてはいけないような気がしてならなか
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