暁 〜小説投稿サイト〜
オズのベッツイ
第二幕その二
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「本当に」
「ロシア人は向日葵を好きな人が多いの」
「それはどうしてなの?」
「ロシアは寒くて日の光があまり出ないけれど」
 長く厳しい冬が続くからです、ロシアでお日様が出ている時間は短いのです。
「向日葵はそのお日様の花でしょ」
「それでなのね」
「ロシア人は向日葵が好きなの、種も採れるし」
「向日葵の種から油を採って種を食べて」
「そうもしているからなの」
「ロシア人は向日葵が好きなのね」
「そうなの、ロシアの国花でもあるのよ」
 向日葵は、というのです。
「そこまで愛されているお花なの」
「ロシアで向日葵は」
「ええ、ただオズの国の向日葵はね」
 今そのオズの国の向日葵達を見ての言葉です。
「その国によって色が違うから」
「今僕達が見ている向日葵は緑色だしね」
 カルロスがこう言ってきました。
「そして他の国だとね」
「それぞれの色でね」
 ジョージも言います。
「違うね」
「うん、ギリキンだとね」
 神宝はこれから自分達が行く国のことをお話します。
「黄色でね」
「そうね、黄色になるわね」
 ナターシャはその黄色の向日葵についても言いました。
「ギリキンだとね」
「そうよ、その向日葵は見たことあるわよね」
「はい」 
 ナターシャはベッツイにも答えました。
「ギリキンの国で」
「じゃあ知ってるわね」
「最初はびっくりしました」
「そちらの世界の向日葵とは違うからね」
「本当に黄色ですから、全部」
 ナターシャ達の世界の向日葵はオレンジも入っていて真ん中は茶色です、そして茎や葉は緑色だからです。
 ですがギリキンの向日葵はなのです。
「鮮やかな黄色で茎も葉も
「全て黄色ね」
「ですから」
「そう、最初見て驚いたかしら」
「驚きはしなかったです」
 そのことはなかったというのです。
「ギリキンの国、オズの国のことは知ってましたから」
「だからなのね」
「はい、驚かなかったです」
 このことはなかったというのです。
「別に」
「そうなのね」
「ただ、これがギリキンだと思いました」
 ナターシャがこう言うとです、恵里香達四人も頷きました。
「そう」
「皆もうオズの国のことを知っていたから」
「驚かなかったです」
 そうだったことをベッツイにお話するのでした。
「特に」
「わかったわ、そのことは」
「それじゃあですね」
「ええ、このままね」
「ギリキンに入って」
「そうしてギリキンの向日葵を見ましょう」
 その黄色い向日葵をというのです。
「絶対にね」
「わかりました」
 五人はベッツイの言葉に頷きつつです、ギリキンに向かいます。そして緑の世界が一瞬にして変わったのでした。
 鮮やかな黄色の草原、黄色の煉瓦の左右に広がるその世
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ