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【D×D】掃除男、君はとてもいい匂いだ…
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貴様が、な」
「勝手に納得されても俺はお前のこと知らないけど。アザ公、あれ誰だ?」

アザゼルをアザ公と略すこの不遜世界代表みたいな男の問いに、アザゼルは頭を抱えながら取り敢えずかいつまんで状況を説明する。あれはロキで、北欧神話バンジャーイで、余所者と仲良くするのが気に入らないからオーディン殺す。一通り聞いた箒は土産袋片手にフーンと相槌を打った。

「なるほどつまり、コカピー以来の命の危機って感じか」

『誰がコカピーだぁぁぁッ!!人を舐め腐るのも大概にしろよ小僧ぉぉぉぉぉ!!……うう、寒っ!』

「……コキュートスの方から何か聞こえるな。あいつもすっかりギャグキャラになっちまって……ホロリ」
「ま、でも作戦思いついたしどうにかなんだろ。おいアザ公ちょっと耳貸せ」

嘗ての戦友が地獄の底でも地獄耳。意外と余裕ありそうで複雑なアザゼルに、不遜な笑みを浮かべた箒はひそひそと耳打ちした。話を聞いたアザゼルは呆れるやら呆れるやら、というか全面的に呆れまくりつつもすごく嫌そうに顔を顰めた。
その顔は、普通にドン引きしている。お前マジか、本気で言ってんのかと言わんばかりだ。

「………いや、たしかに無理ではないかもしれんがなぁ。お前……もう俺には言葉が見つからねぇよ。お前の脳みそ一体全体どんな構造してんだ馬鹿なんじゃねえの?」
「おいコラ生徒を馬鹿扱いするんじゃねえよ!いいじゃねえか上手く言ったらお慰みだ。それに……」
「それに?」
「折角神殺しなんて御大層な奴が出てきてるんだ。こんな実験二度とできないかもしれねぇだろ?」

「――人間の分際でほざくなよ、羽虫が。三大勢力の傘の下で虎の威を借るか?」
「いいじゃねえか。ケチなこと言うなよ、カミサマ?」

ロキと箒、2人のトリックスターの激突に、周囲の空気が一気に戦場の緊張感から『勝負師』の類に変化した。
そしてこの激突の結果――哀れフェンリルは斃れることになった。

ロキはフェンリルにアザゼルごと箒を食い殺すよう命じ、フェンリルの牙がむき出しになった瞬間、箒は小さな箱のようなものを取り出して、それを開けた。それと同時にアザゼルが何かの魔法を使い――そして、次の瞬間に断末魔の咆哮が世界を揺るがした。

そして斃れたのは、フェンリルだった。
親が倒れたことで怒り狂ったスコルとハティは、その殺意を剥き出しに箒の方に殺到し――次の瞬間、やはりフェンリルと同様に悲鳴を上げて倒れ伏した。誰も、手伝いをしているアザゼルを除いて誰も彼が何をして、何が起こって、何故フェンリルが倒れたのかを理解できなかった。
それとも、奴が持っているあの箱はパンドラの箱だとでも言うのか?そんな恐ろしい想像ばかりが頭を渦巻く。狡知の神が知恵で負けるなどと――ロキの頭は真っ白になった。

そして話
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