二十五 永訣
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彼に似合わずゆったりとしている。
しかし横島の瞳が瞬く頃には、いつも通りの無表情な顔に戻っていた。
狐面をつける。
月代に変化した彼は火影の亡骸を抱き抱えると掻き消えた。
木ノ葉の里の各所で多発している戦の火種が次々に鎮火していく。
火影岩という高所から俯瞰していた横島には、その火を消しているのが誰かすぐにわかった。
里中を奔る、荒々しくも哀しい金の矢。
地平へと沈みゆく朱に向かって瑠璃が甲高く鳴き、破璃がくうんと鳴いて横島に寄り添った。
二匹の鳴き声には、まるでナルトの心中を代弁しているかのような愁嘆の色が含まれている。
落陽に赤く染まる里を横島は見下ろした。
里ではなくどこか遠くを見据えている彼の瞳の奥には、夕焼け空に負けないほど赤く燃え上がる決意の炎が窺い見えた。
子どもを慕う獣の静かな慟哭が、空に溶けて消えていった。
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